3443通信3443 News

2020年2月号(No.300)

01

~「江澤・三好丸」と大国家・元の旅~

●An.江澤アナウンサー●Dr.三好院長

●Dr.前回は中国で作成された美しい陶磁器が紅茶の葉を運搬する際、船の重しとして英国へ運ばれた歴史について、ご説明が済んだように思います。

●An.本日はこのラジオ3443通信、いわば「江澤・三好丸」という名前の船でしょうか、どのような風に身を任せて航海するんでしょう?

●Dr.本日はマルコ・ポーロを乗せて当時のベネチアから、元の首都だった大都へと旅に出ましょう(笑)。

●An.先生、私たちのこの船は、タイムマシーンだったんですね(笑)?

●Dr.タイムマシーンは今、イタリア半島北東部の港町、ベネチアを出発し、「紅の豚」で有名な…。

●An.アドリア海ですよね、先生!

●Dr.ちなみに当時、イタリアという国家はありませんでした。

●An.確かイタリアは19世紀半ばごろに統一国家になるんでしたね?

●Dr.さすが江澤さん。私たちの日本では島国がまず存在し、その国中の陸地伝いに集落ができ、都市を造ります。でも、地中海を船で往来していた当時のベネチアでは、海路の隅っこに陸地が位置していた。そこが日本人一般と、感じ方が少し異なるんです。

●An.「海洋都市」であるベネチアは海伝いに世界が広がっていた?

●Dr.しかも海は交通路であり、天然の要塞(ようさい)でもあったので、ベネチア市民は海に深い感謝の念を抱いています。「海との結婚」っていう有名なお祭りがあって。

●An.「海との結婚」ですか?

●Dr.水上パレードの後、ベネチアの運河のアドリア海への出口付近で、ベネチアの総督が金の指輪を海に投げ込み、こう唱えるんです。「海よ。永遠の海洋支配を念じてベネチアはなんじと結婚せり」って。アドリア海の美しい花嫁であるベネチアが、花婿のアドリア海と契る意味を持つ儀式で、いかにベネチアがアドリア海を大切に思っているか、よく理解できます。

●An.ロマンチックですねぇ。私たちのタイムマシーンは、次にどこへ進むんでしょう?

●Dr.地中海、そしてエーゲ海へと、船を進めます。江澤さん、アドリア海の東側のエーゲ海には何がありましたっけ?

●An.エヘン、先生! エーゲ海の北東の端に、シュリーマンの発見したトロイの遺跡があります。「トロイの木馬」で有名な!

●Dr.そのトロイ遺跡から、ダーダネルス海峡を通ると、黒海へ入る手前にマルマラ海という、コバルト・ブルーの海に出ます。

●An.コバルト・ブルーの海、江澤は一度で良いから行ってみたいです(笑)。

●Dr.「マルマラ」はもともとペルシャ語で「マルマル」、つまり「マーブル」、すなわち大理石のことです。大理石を産出する島が、この海の中央にあると聞きます。

●An.先生、今日もお時間です。

●Dr.残念! では続きは次回。

02

気になる不安・疑問を専門医で解決 めまいQ&A

Q 一般的にめまいは診断 治療が難しいと聞いて、不安です。専門医なら治療できるのでしょうか。

A 一般医療機関で改善が見られなくても、めまい専門医での診断治療が極めて有効な例があります。ここでは耳鳴りとめまいを訴えて当院を受診され「良性発作性頭位性めまい(BPPV)」と診断された、登米市在住の男性のお手紙の一部をご紹介します。
 「昨年8月から起きた耳鳴りと耳閉感は近隣の病院で5カ月近い治療を受けてきたものの回復の気配はありませんでした。直近になっては2〜3週間おきにめまいと吐き気が起こるようになり、ついに12月、三好先生の元をお訪ねいたしました。同様の病に苦しんだ方を快方に向けてくださった病院として職場から紹介されていたのですが、とはいえ私も同じように良くなるものとは正直なところ思えず、距離も少々遠いこともあって行動しかねていたものでした。受診初日、経験したことのないさまざまな検査の後、先生がすぐに『原因が分かりました、治りますからね』とおっしゃられた時には驚きと同時に重いものが下りたようで、やはり来て良かった、早く来るべきだったという気持ちになりました。通院回数も初めに示された通り、なんと1カ月ほど後には目を閉じて書く字も見るからに整って(中略)その後めまいや吐き気は皆無で、体調が日増しに良くなっていると感じます。また耳閉感も軽くなってきていますし今後は運動、食事、仕事などでストレスなく、自律神経の働きも良くなるような自分なりの工夫をしながら気長に耳鳴りに向き合おうと思っております」
 めまいの症状の中には専門的治療をすぐに始めないと治りにくくなったり、命に関わるサインを見逃したりするケースもあります。めまいを感じたら「めまい専門医」を受診することをお勧めします。

※めまい専門会員はめまい学会ホームページで確認できます

 URL:http://memai.jp (日本めまい平衡医学会ホームページ)

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