3443通信3443 News

2021年1月号(No.311)

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はじめに

この度、院長が元顧問を務めていた全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴)の会報誌「難聴者への明日」に、アンケート記事が掲載されました。
 いまや未曾有とも言える新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、お互いに距離を取る“ソーシャルディスタンス”や“マスク装着の日常化”などの、様々な感染症対策が打ち出されております。
 ですが、半ばマスク装着が義務化されるような風潮によって、特に聞こえに不安のある難聴者にとり、口元を覆うマスクはコミュニケーションに重大な齟齬を生む可能性が示唆されています。
 それは、難聴者が他者との交流を図る際、相手の口の動きや表情を見る“読話”が重要となっており、それがマスクによって顔が覆い隠されることで、話の内容を取得する手段がなくなってしまうからです。

そこで、私たちは難聴者を中心とした「マスクアンケート調査」を実施し、マスク装着によるコミュニケーション障害の実態を調査することに致しました。
 難聴という症状は外見上からは判断がしづらく、健聴者よりも会話に負担の掛かる場合が考えられるため、他者との交流を避けてしまうきっかけになりかねません。
 こうした問題を危惧した私たちは、難聴者の社会的な地位向上とコミュニケーション方法の調査・研究を行っている全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴)等に協力を仰ぎ、会員の方への「マスクアンケート」を実施し、社会に問題提起をしようと思い立ちました。
 ここでは、その掲載内容をご紹介させて頂きます。

ご挨拶

全難聴とは元顧問として、40年間に渡りお付き合いをさせていただいておりました。スイス・モントルーでの国際難聴者会議(図1)の付き添いや、私のルートを通じての滋賀大会での三笠宮寛仁親王殿下の招待(図2)など、懐かしい思い出も多々あります。
 私も仙台市で三代続く耳鼻科医として、また聴覚支援学校校医として、特に難聴児に関わる診療や研究、情報発信(※下記参照)を行なって参りました。
 ※当院ホームページより、難聴児絵本「かっぱの太ちゃん」や、「難聴児の水泳指導1・2」が無料閲覧できます。ネットで「3443通信」と検索してください。

現在、猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の予防対策として、日常的なマスク着用が促されています。けれども難聴者にとって口元を隠すマスク着用は、重大なコミュニケーション障害を引き起こす可能性が懸念されています。そうした目に見えづらいマスクコミュニケーションについて問題提起をしたく、会報誌を通じて皆様からマスク着用で困った点、お悩み等をお聞かせいただこうと思い立ちました。
 会員の皆様方におかれましては、趣旨にご賛同をいただけるようでしたら本アンケートにご協力をお願い申しあげます。

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1988年7月3~7日、スイス・モントルーで行なわれた第3回難聴者国際会議

 

04

1986年11月1日~3日に、滋賀県大津市で開催された第8回全国難聴者研究大会

趣 旨

新型コロナウイルス感染症の拡大により、日常的な感染対策としてマスク着用が一般化しています。
 しかし、聞こえが十分でない方にとり、口元を覆うことで相手の発言が推測できにくくなるマスクの着用は、相互コミュニケーションに大きな障害となる可能性が示唆されます。
 そうした現状を正しく把握する必要性から、本アンケートを実施して社会への問題提起を行いたいと考えています。
 なお、本アンケートで収集しました個人情報は、データ整理以外の用途での使用は致しません。
 アンケート結果は、個人情報を伏せた形で統計させて頂きます。

回答の送付先

回答専用メールアドレス(3443rec@gmail.com)宛のメール本文に回答を入力して頂きまして、送付をお願い申し上げます(若しくは、FAX 022-374-3886宛でも構いません)。

回答の記載例

メールの本文に、「質問番号」と「回答(文章もしくは番号)」を合わせてご記入下さい。
 (自由回答に関しては、お考えをお書き下さい。文字制限はありません)

※下記は回答の一例です。
質問1.耳鼻太郎、男性、40歳、宮城県仙台市泉区
質問2.②、⑫
質問3.②
質問4.②、④
質問5.②

アンケート内容

質問1.回答者について教えて下さい。

【氏 名】
 【性 別】
 【年 齢】
 【住 所】  ※都道府県・市町村までで結構です
 【障害者等級】

質問2.聴力について教えて下さい。

(回答例:例えば「②」「⑫」等と、ご本人の耳の状態を選んで下さい)

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質問3.補聴手段について教えて下さい(複数回答可)。

回答:
  ① 無し
  ② HA(補聴器)
  ③ 人工内耳
  ④ 手話、指文字
  ⑤ その他( ※自由回答 )

質問4.マスク着用で困った事を教えて下さい(複数回答可)。

回答:
  ① 相手の発音が不明瞭になる
  ② 相手の口元が見えず、会話が不自由になる
  ③ 町中等で不意に声を掛けられた時、誰に向けて対応すべきなのか咄嗟に判断し難い
  ④ こちらの口元を見てもらえず、相手に話の内容を分かってもらいづらい
  ⑤ その他( ※自由回答 )

質問5.そうした不自由への工夫について教えて下さい(複数回答可)。

回答:
  ① 相手にマスクをずらして貰う
  ② まず自分からマスクをずらす。
  ③ 手話・指文字を併用
  ④ 文字で書いてもらう
  ⑤ その他( ※自由回答 )

質問6.新しい対策について

メディアやインターネット上では、いくつかの改善策が発信されています。
例えば、マスクに「耳マーク」を描く、透明素材のマスクの開発など、検討に値するアイデアが 模索されていますが、そういった情報についてお考えを教えて下さい(複数回答可)。
回答:
  ① 自分のマスクに「耳マーク」を描く。
    a.試みてみたい
    b.考えていない
    c.その他( ※自由回答 )
  ② 透明マスクの開発
    a.期待する
    b. 期待しない
    c.その他( ※自由回答 )
  ③ その他( ※自由回答 )

お問い合わせ

医療法人社団 三好耳鼻咽喉科クリニック 秘書課 青柳
 〒981-3133 宮城県仙台市泉区泉中央1-34-1
 FAX:022-374-3886 MAIL:3443rec@gmail.com

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