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2021年3月号(No.313)

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補聴器の選び方

●An.江澤アナウンサー●Dr.三好院長

●An.耳についての知識の乏しい私たち一般の人間は耳が遠い、もしくは不自由な難聴者の方に対しては「大きな声で話し掛ければ良い」みたいな錯覚がありました。でも先生のご説明では「難聴にはさまざまなタイプがあって、全ての難聴者に対して大きな声が有効とは限らない」とのことでした。

●Dr.その通りです、江澤さん。

●An.それから先生。高齢者に小さな声で話し掛けてもちっとも聞こえないくせに、大きな声を出してやると、やかましいって顔をされちゃいます。

●Dr.年齢による耳の神経の変化で「補充現象」ってのが起きていて。小さな音は聞こえないのに、大きな音はいきなり響いて聞こえるんですよ。お年寄りご本人に、悪気があるわけじゃありませんから(笑)。

●An.お年寄りには、最近進歩してきた補聴器も役に立つんじゃないでしょうか? この頃は補聴器も小型化して、見るからに性能の良さそうな製品も電気屋さんの店先で見掛けますよ。

●Dr.そうですね、その方一人一人の聞こえのタイプに合わせて、しっかりと調整した補聴器は、役立ちそうですね。

●An.えっ先生、補聴器って、合わせたり調節したりするんですか?

●Dr.眼鏡だって、その人によって、度を調節したりしますよネ?

●An.近視用眼鏡とか、遠視用とか乱視とか、ですよね(笑) アレッ! でも補聴器って電気屋さんの店先で、お孫さんがお年寄りに買ってプレゼントしたりしていますよ!

●Dr.お年寄りはかわいいお孫さんの、お小遣いをためて買ってくれた補聴器だから、お孫さんの前ではニコニコして耳に入れてますけど…。

●An.お孫さんがいなくなると、その補聴器はたんすの中に永久にしまわれて。

●Dr.それっきり、二度と役立つことはなかったりして…。

●An.それじゃあ、お年寄りご本人もお孫さんも気の毒ですよねぇ…。どうして、そんなことが起こるんでしょうか?

●Dr.実は補聴器を選択するときにも、眼鏡を購入するときと同じように、微調整が必要なんです。その方の聞こえのレベルに合わせて機種を選び、微調整をして。それから眼鏡でもレンズとフレームを組み合わせた後、実際に目にかけてしばらく待つことが多いものです。

●An.眼鏡をかけたら少し間を置いて、外の世界をしばらく見てみなくっちゃあ。

●Dr.ホントにその方にピッタリ合った眼鏡かどうか、それで分かりますから、ね。補聴器の場合でも機種を選び、実際に装用してみて、少し間を置いてからでなければ、ピッタリその方に向いた補聴器かどうか、分かりません。

●An.お孫さんのプレゼントの補聴器は、ご本人に合っていないことも…。

●Dr.決して、少なくないのではないかと。

●An.補聴器は、結構高価な製品もありますから、ね。お孫さんは気の毒、ですよね?

●Dr.それにお年寄りの場合には「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」(解説:中耳炎コミック)の合併もあって、それは補聴器装用の前に確認しておかないと。

●An.それは大切ですね。本日は、ありがとうございました。

気になる不安・疑問を専門医で解決 めまいQ&A

Q めまいの症状を感じてから受診、治療の流れを教えてください。

A 実際に受診された若林区在住のある男性の方のケースです。「就寝時に目が回り、起きている間も似たような状態で気持ちが悪い」と、来院されました。インターネットの口コミをご覧になったのが受診のきっかけとのことでした。

 寝る時と起き上がる時、左目に時計回り(右回転)のめまいが起きていて、仕事や日常生活においても不安があり、集中できない日が数日続いていたと言います。

左の三半規管に原因のあるBPPVと診断し、すぐにエプリー法を行いました。治療の手順や内容は事前のVTRや資料などで説明しましたが、始まる前は本当に良くなるのか、不安もあったようです。

しかし術後は、めまいの症状がかなり改善されたご様子で「就寝時も仕事中も本当に楽になりました」と話されていました。改善されて本当に良かったと思います。めまいの症状が出たら、すぐに「めまい専門医」を受診し、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

※めまい専門会員はめまい学会ホームページで確認できます

 URL:http://memai.jp (日本めまい平衡医学会ホームページ)

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