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2021年6月(No.316)

めまい特集(3)「BPPVとめまい体操エプリー法体験談」

山形三吉(放送作家)

澤(穂希)選手と同じ症状になった山形三吉(放送作家)

不名誉なことなので大きな声では言えないが、ある夜、そう、具体的なことも恥ずかしくて言えないが、ま、転倒してしたたかに頭を打った。翌朝、ふらふら感がするので、こりゃちと疲れ過ぎとるなと思って、臥龍温泉に行こうと自転車に乗った。重い。ブレーキの具合を見ようと身体を斜め右下に屈めた途端、グラグラッときた。地球がものすごい勢いで回転し、自転車ごとでんぐり返った。幸いにもたまたま、後頭部と背中と尻の下の地面が秋の枯葉の集積所だったので大怪我には至らなかったが、危ないところだった。

やられたな、と思った。前夜のことが思い出された。そしてすぐ、なでしこジャパンの澤選手のことを思い出したのである。

ロンドンオリンピックの前、スポーツ新聞で澤選手の〝めまい〟の記事を読んだことがあった。なかなか治らない、ロンドンまで間に合うだろうか、心配である、というような記事だった。仙台に来ればいいのに、と思ったものだった。「めまいの専門医」三好彰先生に診てもらい、治療してもらえば簡単に治るのに、と思ったのである。

やられたな、と思ったのは、あれだな、と思ったということである。三好先生に診てもらったら、やっぱりそうだった。「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」。立派な名前の病気? だった。

耳の中にはめまいを感じる耳石器という装置があるが、なにかの拍子に、澤選手の場合は多分強烈なヘディングによってではないかと愚推するが、この石が装置から剥がれて三半規管の中をフラーリフラリと揺れ動き、めまいを起こすのである。その石をピタリと元の位置へ戻してくださる名医が三好彰先生なのである。

あれから十日ほど。二度の治療でだいぶ良くなった。先生は、あと一度の治療でほぼ完治するでしょうと言ってくださった。

えっ? どんな治療方法だって? 痛くも痒くもありません。寝ていて、首と身体を動かしてもらうだけ。気持ちいいぐらいです。
〈月刊『素晴らしい山形』二〇一二年一一月号〉

前号のこの欄で、「澤(穂希)選手と同じ症状になった」

と書いて、多くの読者から冷やかされたり、嘲われたりした。

「澤選手の場合は多分強烈なヘディングによってではないかと愚推するが」

と書いたところ、

「お前の場合はどうなんだ。地球とヘディングしたのか」

などとからかわれたりもした。

三好先生には都合三回診てもらった。一回、二回と、一週間置きに治療していただき、薬を服用しながら次に二週間置いて診察だけしていただいた。そして、

「ほとんど治まっていますね。しばらく様子を見ることにしましょうね」

と言われ、薬の服用も必要なくなった。年令のせいか、なにかすっきりしないところはあるが、ほぼ元に戻った感じである。さすが、三好先生。

三回目の診察が終って、臨床検査技師さんからインタヴューを受け、その様子をビデオに撮られた。日本テレビの「11PM(イレブンピーエム)」に出演した時以来のことで、どのように活用されるのか楽しみである。(以下略)

〈月刊『素晴らしい山形』二〇一二年一二月号より〉

図 治療中の光景 図1 エプリー法を受ける筆者

 

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