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2021年7月(No.317)

 

遥か大洋を見つめるサン・ファン・バウティスタ号(石巻市)

2021年3月11日(院長撮影)

本年秋以降に解体が予定されているサン・ファン・バウティスタ号の雄姿です。
 本船は、伊達政宗公の命によって建造された日本初の大型ガレオン船で、仙台藩士・支倉常長を筆頭とした慶長遣欧使節団を運ぶために二度にわたる太平洋横断を成し遂げた木造帆船でもあります。

1613年10月28日に出港したサン・ファン・バウティスタ号は、1年半後の1618年4月2日にメキシコのアカプルコに到着しました。いまでこそリゾート地として有名なアカプルコですが、当時も欧州とアジアの交易路を結ぶ重要な港町として利用されていました。
 その後、スペイン艦隊に同乗した支倉常長は大西洋を横断し、スペインの首都マドリードにおいて国王フェリペ三世と謁見します。そしてローマ、セビリアを訪問した常長らは迎えにきたサン・ファン・バウティスタ号と合流し、1620年9月20日に日本へ帰国しました。
 ちなみに支倉常長は、私の祖母方である竹中家の祖先でもあります。

仙台藩士として北海道白老町に赴いた三好監物。

外交の重責を背負って渡航した支倉常長。

彼らご先祖様の旅路に想いを馳せ、役目を終えようとしている復元船サン・ファン・バウティスタ号の雄姿を目に焼き付けて来ました。
(2021年3月11日、院長撮影)

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