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2021年7月(No.317)

めまい特集(2)-②「ラジオ3443通信~めまいのお話」

ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。

ここでは耳鼻咽喉科にまつわる病気の話題を分かりやすく、歴史や時には意外な観点からの話題を交えてご紹介いたします。

前号のめまい特集(2)から引き続き、ラジオのお話を進めていきたいと思います。

 

2 犬が西向きゃ尾っぽは東

An:

三好先生。復習になりますが前回は、めまいは耳の病気のことが多いということ、早期発見・早期治療が大切だということ、そして耳からのめまいは耳鼻科医に相談すると良いこと、についてお話を伺いました。

Dr:

今回は具体的にめまいを起こす病気について、少し詳しくお話ししましょう。

まず有名なメニエール病ですが、これは内耳の神経に水ぶくれが起こり、このために音を感じるかたつむり管や、めまいを感知する耳石器、そして三半規管という神経の、機能が悪化する病気です。

さて、第一の質問です。音を感じるかたつむり管の機能が悪くなると、どんなことが起こるでしょうか?

An:

ええっと、やっぱり聞こえがヘンになるとか……、もしかすると耳鳴りなんかもするのかしら?

Dr:

今日も、ハナっから絶好調ですね。その通り、音がひずみますし、聞こえ自体も悪くなります。それだけじゃなくって、耳の聞こえの神経の異常放電のために、耳鳴りがします。

それじゃ、第二の質問。めまいを感じる耳石器や三半規管などに機能障害が起きたら、どうなるでしょう?

An:

めまいが起きる?

Dr:

座布団10枚、ってところですね。正解です。それじゃこのめまい、「グルグル回る」でしょうか、それとも「フラフラする」めまいでしょうか?

An:

なんか、両方起こりそうですね。

Dr:

ますます大正解ですね。メニエール病の、発作の最中にはグルグル回るめまいが起きますし、発作と発作の間にはフラフラする不安定な症状が続きます。その間、ずっと吐き気がありますし、気分は良くないですね。

An:

それって、ひどそうですね。

Dr:

メニエール病だけじゃないんですが、めまいの最中には目玉が実際にグルグル回るんです。

An:

いやだ、それじゃめまいって、ホントに目が回るんですか?

Dr:

めまいという言葉はもともと目が舞う、という語源だったらしいんですけど、それはともかく、めまいのときのこの目玉の回転を、めまいの診断ではすごく重んじるんです。だから耳鼻科の診察では、患者さんの目に特別なカメラを付けて、目玉がどの方向にグルグル回るのか良く見るんです。

An:

カメラで目玉を見るんですか!? 目玉の回るのが見えるんですか?

Dr:

面白いもんで、目玉が右まわりに回っているときは、患者さんの体は左向きに傾きますし、患者さんの外の世界は右向きに回転しているように、感じられます。

An:

外の世界は、体の傾きと逆方向に回転するんですね。

Dr:

それを、「犬が西向きゃ、尾っぽは東」というんですけど(笑)。目玉の回転する方向が、患者さんご本人の感じるめまいの方向と一致します。それでこの目玉の観察は、めまい診察で重要なんです。             

An:

目玉がグルグル回るって面白そうですけど、わたしたちがフツーに見てもすぐに分かるものなんですか?

Dr:

特殊な赤外線カメラを使用して記録しますので、まぁやはり耳鼻科医の得意分野かとは思いますね。

An:

一度、見てみたいような気もします……。

Dr:

それは冗談として、早期発見・早期治療が大切なめまいのもう一つ重要な病気に、突発性難聴があります。

An:

それは突然、起こるんですか?

Dr:

ある日、ある瞬間に急に耳の聞こえが落ちて耳鳴りがし、グルグルやフラフラなどいろんなめまいが起きる病気です。人によっては、朝目が覚めた瞬間に聞こえの悪化やめまいに気付くこともありますが、それは睡眠中に突発性難聴が起きていて、目覚めと同時にそれに気付くせいだと言われます。

An:

さわやかな目覚めじゃなくって、「めまいとともに起きぬ」ですね。いやですね。

Dr:

突発性難聴のめまいはメニエールと違って繰り返さないんですけど、この病気は出会い頭を逃しちゃいけないんです。

An:

「一期一会」とか……。

Dr:

症状が起きてから1週間以内に治療を受けないと、99%聞こえは戻りませんからね。耳がおかしいなと思ったら、すぐに耳鼻科医へ駆け付けて頂かないと、間に合わなくなっちゃうものですから。

An:

聞こえは元には戻らない……。

Dr:

「返せ! 戻せ!」って叫んでも、俊寛じゃあるまいし、そんなにうまく行くもんじゃありません。早めの耳鼻科受診が、すべての基本です。

An:

三好先生、1週間以内、ですよね。

Dr:

遅くとも、10日間を過ぎると完全回復は難しいですからね。

それともう一つ、突発性難聴で忘れてならないのは、原因不明の突発性難聴と錯覚していると、中には脳腫瘍が背景に潜んでいたりすることも、ゼロじゃないんです。

An:

脳腫瘍ですか!

Dr:

脳に原因のあるめまいについては、別の機会にご説明しますけれど、突発性難聴だと思い込んでいるとそうした背景疾患を見過ごすこともあります。やはりめまいは、早期発見と早期治療が不可欠ですし、耳がヘンだと思ったらめまい専門医を受診する心がけが、すべてを左右することになります。

An:

三好先生、ありがとうございました。本日のお話のまとめですけど、めまい・耳鳴り・聞こえの悪化はメニエールを、めまいや聞こえの悪化で目が覚めたら突発性難聴を、それぞれ考えること。とくに突発性難聴では1週間以内が勝負となるので、一刻も早くめまい専門医で診察すること。

Dr:

座布団10枚どころか、TV番組だったらハワイヘご招待ってとこですね(笑)。

An:

それでは、次回もよろしくお願いします。

 

めまいについてはこちらもご覧下さい。

URL:https://www.3443.or.jp/dizz/index.html(めまいの方へ)

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