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2021年7月(No.317)

必読!!「世界はこれほど日本が好き」熟読レポ

秘書課 菅野 瞳

図03

 

はじめに

この著書と私の出合い。それは院長の鶴の一声でした。
「方々へ飛び回る君のことだから、ポーランドへも行っているだろう。是非読んで君の感想を記事にしましょうか」
読書を得意としない私なので、難題も難題。はて……院長が是非読んでと推薦されるその著書とは?

『世界はこれほど日本が好き』

メディアでコメンテーターとして大活躍されている河添恵子氏の著書でした。
 諸外国の人々が日本に抱いているであろう私の勝手なイメージ……それは単なるお金持ちの国民。かと言って、この著書のタイトルにあるように日本人がお金持ちだからと言って、世界の人々は日本が好きなのか? と言えば、それは必ずしもイコールではない。それならば何故この本が誕生したのか……著書をまだ1ページも開かずして、この疑問を抱きました。
著書をよく見ると、副題に「No.1親日国・ポーランド~」とあります。ここで私が抱いた2つ目の疑問。

この疑問を解決するには、著書の拝読あるのみ……そんな決意でページをめくりました。

思い出のポーランド

私が娘を連れポーランドの地を訪れたのは、私が敬愛するフレデリック・ショパンの生誕200年(2010年)の年でした。この年、日本ではショパンのゆかりの地を巡るツアーなど、数多くのポーランドツアーが販売されていました。この時ほどショパンはやはり愛されているのだなと感じたことはありません。
 しかしながらどうでしょう。著書を読み進めていくと、ショパンを世界中が愛奏・愛聴していると思いきや、日本以外の他国では必ずしもそうではないと言うのです。私の頭の中は、だいぶ初期段階から“?”の文字がうごめきました。

私が唯一知り得る日本とポーランドの関係と言えば、数年前にLOTポーランド航空が成田からの直行便を隔日運航で飛ばすようになったこと位なものです。
 日本と二カ国の国交樹立から昨年で100周年を迎えたようですが、この著書に出合うまで私は、二カ国間の国交について考えたこともありませんでした。

第3章以降を読み進めていくと、日露戦争時の陸戦における日本の勝利の影には、ロシア側として戦ったポーランド兵の意図的な投降という協力があったこと、自ら捕虜となったポーランド兵やロシア兵に対する日本の人々の礼節ある温かいもてなしがあったこと、また、ナチスのユダヤ人迫害政策に毅然と立ち向かい、極端な人種政策にも断固として加担しなかった日本政府の態度があったことなど……ポーランド人が日本に対して、いかに深く感謝しているかが読み取れました。

敗戦からの復興

日本人らしい勇敢で潔い精神を「大和魂」と言いますが、日本は大東亜戦争(太平洋戦争)で敗北を喫してしまい、その一度の敗戦によって日本人は大和魂を失ってしまいました。
 そんな日本国に比してポーランドは、歴史上二度に渡る世界地図からの消失という危機に直面したにも関わらず、その度に見事な復活を遂げています。そう考えてみると「大和魂」よりも「ポーランド人魂」の方が、よほど逞しいとさえ感じます。
 この著書を読み終え、私達日本人が知らない真実の日本の姿を知り、日本人として生まれたことを誇りに思いました。
 世界40カ国以上に足を運ばれている著者の、取材力と筆力もさることながら、私達日本人に、日本人であることの誇りを取り戻させてくれる良書でした。

図01 図02

著者の河添恵子氏から、直筆サイン入りの書籍を頂きました。

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