3443通信3443 News

2021年8月(No.318)

 

めまい特集(2)-③「ラジオ3443通信~めまいのお話(3)~

ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
 ここでは2010年2月16日OAされた、耳鼻咽喉科にまつわる病気の話題を分かりやすく、歴史や時には意外な観点からの話題を交えてご紹介いたします。

 

体操で良くなるめまい

An:
 三好先生。前回は座布団10枚とハワイヘのご招待、ありがとうございました。今回、江澤は、どこにご案内頂けるんでしょう?

Dr:
 それはやはり、めまいの医学、まさに迷路の世界へのナビゲーターです!

An:
 わたし、迷子になっちゃうんですか?

Dr:
 実は、めまいのセンサーである耳の中の三半規管やかたつむり管のことを、非常にややこしい構造になっていることから、「迷路」と呼ぶんです。ですからめまいの医学は、迷路へのご招待でもあるんですよ。

An:
 つまり、めまいのお話の続きってことですか。

Dr:
 今日も、朝からサエてますね(笑)!

An:
 今日のお話、楽しみです。めくるめくようなめまいストーリーの、ちょっとスリリングな展開ってとこですよね。

Dr:
 今回は、すごくグルグル回って恐いけど、良い治療法に巡り合うと、一瞬で治っちゃうめまいのお話です。

An:
 一瞬で治るんですか。

Dr:
 耳の中に、めまいを感じる耳石器という装置のあることはお話ししました。三半規管の脇にあるこの装置には、体の位置を感じ取る神経細胞の上に石が載っています。そして石は、体の傾きを神経細胞に伝える役割を果たしています。

An:
 面白そう。

Dr:
 ところがなんかの拍子に、まぁ交通事故とか体をぶつけた後が多いんですけど、この石が装置から剥がれて三半規管に入っちゃうことがあります。そうすると、どうなっちゃうでしょう?

An:
 石が三半規管の中を、フラーリフラリと揺れ動く?

Dr:
 すごい! どこで見て来たんですか?

An:
 江澤の第六感です(笑)。

Dr:
 三半規管の2倍の直感ですもの、めまいのことなんかお茶の子ですね(笑)。
 その、第六感の半分の三半規管の中を石がフラフラ揺れると、この動きが三半規管のめまいを感じる神経を刺激し、そのたびに体はめまいを感じます。三半規管は体の回転を感じる装置ですから、そこの神経が刺激されるとまるで体が回転しているような、グルグル回るめまいが起きるんです。

An:
 フラフラ・グルグル、ですか(笑)。

Dr:
 本人はそれどころじゃなくって、ちょっとした体の方向転換で、世界中がグルッと回っちゃうんですから仰天です。方向転換というほどでなくっとも、高いところにある小物を取ろうとして首を上にひねる、靴ひもを結ぼうとしてかがむ、眠ろうとして頭を枕に沈める。そういった瞬間に地球が回転するので、ご本人にはまさに恐怖体験です。

An:
 それはコワそーッ!

Dr:
 このひどいめまいは、せいぜい1分間で自然に治まっちゃうんですけどね、でも夜寝ていても寝返りをうった瞬間ごとにフワーッ・グルーッでは、とても落ち着いて寝ていられませんよ。

An:
 悪夢にうなされそうですね。

Dr:
 ところがこのめまい、「良性発作性頭位めまい症」って言うんですけどね。

An:
 三回読むと、舌を噛みそうな名前ですね。

Dr:
 ですから、簡単に略してBPPVって言うんですけど。これはめまい体操みたいな感じの、一種のリハビリ的な操作で治るんです。

An:
 体操で治るんですか。

Dr:
 このBPPVは、三半規管の中を石がフラフラ動くために神経が刺激されて起きるんで、石を三半規管から追い出してやれば良いんです。

An:
 いったい、どうやって……。

Dr:
 三半規管の中の石は重力の作用で、姿勢を変えるたびにフラフラ動くんです。ですから、体の方向転換で石が神経を刺激するんですね。それを応用して、刺激になる体の向きと逆向きに体をひねれば……。

An:
 そうか! 石は元の位置に戻っちゃいますよね!

Dr:
 そのために耳鼻科医では、BPPVのめまいを起こす体の向きと逆向きに、体をねじる治療をするんです。それをエプリー法と言って、今一番注目されているめまいの治療法なんです。

An:
 最先端ってことですね。

Dr:
 さすが冴えてる第六感! その通りです。
 そして三半規管の中の石が元の位置に戻ると、あんなに悩まされためまいがウソみたいにすっきり無くなります。

An:
 ウッソーッ!

Dr:
 BPPVも長引いたり、何回か繰り返したりしていると、石も一つじゃなくって何個かの細かい石が三半規管の中に浮かんでいることがあって、エプリー法を反復することもありますが。基本的には……。

An:
 その体操で良くなるんですね。

Dr:
 もちろん症状の変化に合わせて、めまい止めの注射をしたり飲み薬を併用したりしますけれど。でも体操で良くなるめまいなんて、なんだかワクワクするじゃないですか?

An:
 それこそ今日のテーマである、めくるめくようなめまいストーリーの、ちょっとスリリングな展開そのものですね!

Dr:
 江澤の第六感に拍手!

An:
 ありがとうございます。さて、今日のまとめです。すごくグルグル回って恐いけど、良い治療法に巡り合うと、一瞬で治っちゃうめまいがあって、良性発作性頭位めまい症つまりBPPVと呼ばれる。これは、三半規管の神経を浮遊している石が刺激してめまいが起こるので、体操みたいに体をひねる治療で治せる。
 三好先生、体操で治すときにも正確な診断が必要なんじゃないでしょうか?

Dr:
 やはりめまい専門医での診察が、理想的ですね。

An:
 次回、最終回のお話が楽しみで

 

めまいについてはこちらもご覧下さい。
URL:https://www.3443.or.jp/dizz/index.html(めまいの方へ)

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