3443通信3443 News

2021年9月(No.319)

 

めまい特集(2)-④「ラジオ3443通信~めまいのお話(4)」

ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
 ここでは2010年2月16日OAされた、耳鼻咽喉科にまつわる病気の話題を分かりやすく、歴史や時には意外な観点からの話題を交えてご紹介いたします。

 

めまいはめまい専門医へ

An:
 今日は、楽しいめまいのお話の最終回です。三好先生、めまいは「グルグル回る」めまいと、「フラフラする」めまいと、それから「目の前が暗くなる」たちくらみ型のめまいと、「まっすぐ歩けない」タイプのめまいとに分かれる、ということでしたよね。

Dr:
「グルグル・フラフラ」のタイプについては、耳の病気を中心にこれまでご説明して来ました。そこで今回は、たちくらみ型めまいと、まっすぐ歩けないタイプのめまいについて、まずお話しします。

An:
「目の前が暗くなる」って、どんな感じなんですか? 江澤の将来はいつもバラ色なんで、ピンと来ないんですけど。

Dr:
 江澤さんでも体験あるでしょ。「空っぽになってしまった自分のサイフの底を覗いた瞬間」とか。

An:
 ああ、それなら毎日体験します(笑)。

Dr:
 それを、「目の前が真っ暗」って言うんですけど、めまいでも一瞬クラッとして気が遠くなる感覚があって。こうした感覚は、たいてい脳の循環つまり血の巡りの悪化が原因です。

An:
 それは、具体的に言うと?

Dr:
 体のバランスを取るのは、耳の神経と小脳を中心とした脳なんですけれど、この耳と小脳に血液を送っている血管は同じなんです。それで起立性低血圧って言うんですけど……。ホラ、小学校の朝礼なんかでも、長いこと立っていると脳貧血を起こして倒れちゃう子どもとか、いますよね。     

An:
 知ってます、知ってます。

Dr:
 OD(オーディー)と呼ぶんですが、その起立性低血圧で耳や小脳に血液を送る循環システムの調子が悪くなると、血の巡りが悪化して立ちくらみが起こるんです。

An:
 それじゃ、血の巡りが悪いとおサイフの底が空っぽになる……。

Dr:
 それは、お金の巡りが悪いんです(笑)。
 このODは意外に多くて、原因不明のめまいとして当院を受診する方の、相当の割合を占めています。

An:
 どうして原因不明なんですか?

Dr:
 めまいの血圧測定では、安静時つまり寝てる時の血圧と、その直後の立位すなわち立たせた状態での血圧変化を、10分間連続測定するんです。そうするとODでは、10分間に血圧が目立って低下しますから、分かります。ホント小学校の朝礼での脳貧血とそっくりですよ。
 これで診断がついちゃうんですけど、血圧の10分間連続測定は、フツーお医者さんではやりませんからね。

An:
 そりゃあ、測定しなきゃ発見できませんものね。

Dr:
 困ったことにこのOD、単独で起きるとは限らなくって、他の、例えば耳が原因のめまいなんかにまぎれて医者に来ます。そうすると原因不明の難病扱いをされて……。当院でも原因不明のめまいとして、いくつか大病院を受診して、やっぱり分からなくって、当院で血圧を側ったら、分かっちゃった。

An:
 分かっちゃった?

Dr:
 後から思えば、単なるカン違い(笑)だったんですね。
 でもそんな風に、2つ・3つと複数の原因が交錯すると、たしかにめまいの本質が見えにくくなることはありますよね。

An:
 それじゃ最後の、「まっすぐ歩けない」タイプのめまいって、どんなものがあるんでしょう?

Dr:
 こうしためまいの中には、むずかしい名前が多くて、アーノルド・キアリ奇形とか、シャイ・ドレーガー症候群とか。

An:
 それ、なんですか?

Dr:
 脳の先天性奇形や、変性疾患と言いますが、少しずつ脳のバランスをとる仕組みが崩れて行く病気が、すごく数は少ないんですけど、まぎれこんで来ます。

An:
 それって耳鼻科の病気じゃ……。

Dr:
 専門は耳鼻科医じゃないんですけど、それを区別するのには耳鼻科医も関わります。

An:
「まっすぐ歩けない」タイプのめまいは脳が原因のことが多く、その治療は耳鼻科の専門じゃない。でもその診断は、耳鼻科でも扱うということですね。
 そう言えば三好先生、「グルグル回る」・「フラフラする」めまいでも、脳に原因のあるめまいもあるって聞きました。

Dr:
 脳の中の体のバランスに関わる部位、つまり小脳や脳幹に病気が起こると、「グルグル・フラフラ」のめまいが起こります。その部位の脳の血管の病気、つまり出血や梗塞そして脳腫瘍でも、こんなめまいの起こることがあります。

An:
 そんなときは、どうすれば……。

Dr:
 同じ「グルグル・フラフラ」めまいでも、耳に原因のあるそれと脳の病気のめまいでは、目玉の回転の特徴が違います。ですから、耳鼻科医お得意の目玉の回転観察で、脳の異常を疑います。そしてCTやMRIを撮影すれば、たいていそこで診断がつきます。診断さえつけば、その後は脳神経専門医へ紹介して精密検査ですよね。

An:
 三好先生、ありがとうございました。
 先生のお話のまとめですけど……。

めまいって、一言で言うけれども、その中身には色んな病気があって、それを一つ一つ解きほぐして診断して行く必要がある。

だけど数から言うと耳に原因のあるめまいが多いので、めまいはまず耳鼻科医のそれもめまい専門医に診てもらうと良い。

めまい専門医では、目玉の運動観察などの特殊な検査をして、耳からのめまいか他に原因のあるめまいか、区別する。

耳に原因があれば、めまい体操など特色のある治療法を行い、耳以外の部位つまり血圧や脳に原因のあるめまいでは、鑑別して専門医を紹介する。

Dr:
 その通り、めまいに限らず医学って、きちんとした根拠を元に診断や治療をすすめて行くことが大切なんです。
 今回はめまいについて、色々と勉強して頂きましたが、くたびれましたか?

An:
 いいえ、江澤は絶好調です(笑)。三好先生、貴重なお話を、どうもありがとうございました。

Dr:
 ありがとうございました。

 

めまいについてはこちらもご覧下さい。
 URL:https://www.3443.or.jp/dizz/index.html (めまいの方へ)

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