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2021年12月(No.322)

 

白老町学校健診シリーズ①
白老町定例表彰を受賞しました

図01

はじめに

この度、北海道白老町で年に1度行なわれる定例表彰にノミネートされ、11月3日(水)、白老町歴史文化貢献者として表彰されました。
 残念ながら表彰式に出席することは叶いませんでしたが、11月15日(月)に武永真さま(仙台藩元陣屋資料館 館長)が来院され、表彰状と記念品を授与して頂きました。

ご先祖・三好監物と北方警備

私と白老町とのご縁は、遡ること5代前の先祖である三好監物が1856年ロシアの南下に対する北方警備のため、現地へ派遣された事に始まります。当時のロシア帝国は、不凍港の獲得を目指して、アジア・ヨーロッパ各地で南に領地を拡張する南下政策を推進していました。
 これを大事と見た幕府は、東北6県の藩に北海道警備を命じたのです。仙台藩は苫小牧などのある太平洋南岸から国後・択捉島を含む北方4島までの長大な範囲を任せられました。その際、警備の拠点となる元陣屋(本陣)を白老に建設したのが、三好監物でした。

他にも、広尾や厚岸、根室などに出張陣屋を設け藩士120名体制で警備に当たっていました。しかしその後、戊辰戦争で旧幕府側についた仙台藩は敗北。白老元陣屋も解体されてしまいました。このような歴史の流れがあり、明治100年の1968年を期として白老町と仙台市は歴史姉妹都市の提携を結ぶにいたったのです。

耳鼻科医の居ない白老町

私が、白老町で初めて学校健診を行った1988年から今に至るまで、町には耳鼻科医が居ません。当時は、医師の居ない無医村なんていうのも珍しくなかったんです。学校における耳鼻科健診は学校保険法で定められているのですが、医師が居なければ健診を実施することは出来ません。そんな状況から一世紀以上の歴史の責任もあり、私が白老町全ての小・中学校の耳鼻科健診を毎年欠かさずに行うことになりました。

ですが、2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて学校健診も中止せざるを得なくなり、私自身も70歳を迎えた2021年、学校医を辞退することとなりました。
 これだけ長年に渡り健診を続けられてきたのは、ひとえに現地の方々の理解と協力なくして実現は出来なかったでしょう。

今後は、また違う形となりますが、ご先祖様が守っていた白老の地と関わっていきたいと考えています。

図02
 記念品として頂いたアイヌ伝統工芸品である刺繍作品

 

関連リンク

院長監修「三好監物物語」もご一緒にどうぞ!​​​​​​
No.316「訪れた人たち~武永 真さま~

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