3443通信3443 News

2021年12月(No.322)

 

げんき倶楽部杜人 ラジオレポート
ラジオ3443通信~難聴の種類②~

図01

耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって40年。今回は2014年5月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]

難聴の種類②

●Dr. 
 
年齢的な聞こえの低下の原因は、耳の神経にある。耳の神経は「音を伝える」機能ではなく「音を感じ取って電気信号として脳へ伝えてやる」役割を果たしていました。江澤さん。それをどんな性質の難聴って呼ぶんでしたっけ? 

●An. 
 
音を感じる部分に原因のある難聴は「感音難聴」です。

●Dr.
 音を電気信号に変換して脳に伝える精密機械みたいな部分の機能低下ですから、感音難聴では脳に伝えられる電気信号の乱れも生じやすい。

●An.
 耳全体の機能を考えると、感音難聴は聞き取った音が、ゆがみがちになるってことですね?

●Dr.
 さすがは一を聞いて十を知る江澤さん。お年寄りなどの聞こえの悪さは、高音部の感度低下や補充現象などを伴うことが多く、拡大した音声だけでは聞き取りが悪いんです。

●An.
 以前、先生は「大きな声が役に立つ難聴のタイプもある」って言っておられました。それは、どんなタイプの難聴なんでしょうか?

●Dr.
 
音を単純に物理的に伝える「外耳」や「中耳」などの原因では、音はひずまず聞こえの物理的エネルギーの減少が起きます。

●An.
 ただ単に聞いた音が小さくなっちゃう?

●Dr.
 
この「伝音難聴」の場合は、耳に入る音のエネルギーが小さくなって内耳へ届きますので、音のゆがみは生じません。例えば、中耳炎や外耳道炎など伝音難聴を起こす耳の病気では、大きな声がとっても役立ちます。

●An.
 
「滲出性中耳炎」でも、伝音難聴が起こりますね。

●Dr.
 こうした外耳や中耳の病気は努力して治療すると、改善することも少なくありません。

●An.
 確かに滲出性中耳炎による難聴は中耳腔の換気のための治療で、聞こえがかなり良くなります。難聴の原因を耳鼻咽喉科でしっかり診断し治療を受ける努力をしないと……。

●Dr.
 
せっかく治療で改善する病気をいつまでも長引かせたり、かえってこじらせて悪化させたりする可能性だってゼロじゃありません。聞こえのタイプには、もう一つありましたよね、江澤さん。

●An.
 
「伝音難聴」「感音難聴」に加えて、その両者の入り交じった「混合性難聴」と呼ばれるタイプもあります。

●Dr.
 老人性の感音難聴に滲出性中耳炎の伝音難聴を、併せ持っていたりする場合に見られます。他にも、子どもの頃からの中耳炎を放置して耳垂れが長引きますと…。

●An.
 中耳炎の耳垂れって、バイ菌が原因になっていましたよね?

●Dr.
 
有害なバイ菌の毒素が、いつか内耳の神経に波及して神経の性能を低下させるようなことが起こります。そうすると、もともと鼓膜に開いた穴のために伝音難聴が存在していたところへ、毒素による内耳神経への障害が加わって、新たに感音難聴が起きてきます。

●An.
 
伝音難聴プラス感音難聴…混合性難聴ができちゃいますよねぇ。

●Dr.
 
耳垂れなどの耳の明確な病気も放置せずに耳鼻咽喉科で診察を受けておきたい、そう思います。

●An.
 神経まで病変が波及すると、これは元に戻りませんからね。

●Dr.
 
「攻撃は最大の防御」って言いますけれど「予防は最大の治療」ってことも、また真理なんです。

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