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2022年3月(No.325)

水彩画と随筆28

絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰

はじめに

私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
 渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
 ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
 本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。

図01
作品名「サン・トロペ」

港は観光客であふれていた。海岸沿いにある駐車場は延々と車が並んでいる。サン・トロぺはかつてはシニャックやマティスなどの画家が見出した名もない小さな漁村だった。1960年代にブリジット・バルドーが裸足で歩いた頃より華やかなファッションの街と化した。海岸通りを歩いているだけでなんとなく華やかな気分になる。港には豪華なクルーザーが並んでいるが小さな漁船も停泊し面白いコントラストを醸し出していた。

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