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2022年6月(No.327)

水彩画と随筆31

絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰


はじめに
 私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
 渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
 ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
 本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。

P.37 図のみ

作品名「サント・ビクトワール山1」

エクス・アン・プロヴァンスはセザンヌゆかりの街だ。私は彼の絵が好きだ。ホテルも「セザンヌ」という名前のホテルを予約した。まず彼のアトリエを訪ねた。彼の絵に出てくるサント・ビクトワール山がアトリエから眺められると思ったからである。ところがアトリエからは山は見えない。アトリエの周りをあちこち歩き回ったがサント・ビクトワール山が見える場所は見つからなかった。地図を頼りに車を30分ほど走らせやっとこの山が見えるスポットに辿り着いた。なんとも言えない地肌の山だった。

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