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2022年9月(No.331)

 

日本味と匂学会が仙台で開催されました


 院長が名誉会員を務める第56回日本味と匂学会が、2022年8月22日(月)~24日(水)にかけて開催されました。
 仙台での開催は、1985年の第19回大会(当番世話人:東北大学農学部食糧化学科栄養学科 木村修一 教授、東北大学教養学部生物 島田一郎 教授、三好耳鼻咽喉科病院 三好彰 副院長)、2013年第47回大会(大会長:東北大学大学院農学研究科 駒井三千夫 教授)に続いて3回目となります。

 院長は、2013年大会時に市民公開講座のオーガナイザー(座長)として、池田稔先生(日本大学 教授)、三輪高喜先生(金沢医大 教授)、お二方の講座の進行を務めるなど、大会運営に携わりました(図1、2)。

図01
 図1 2013年大会の講演光景

図02
 図2 オーガナイザーを務めた院長


 本年8月の本大会は、新型コロナウイルス感染症の再拡大やウクライナ戦争などの災害・人災に見舞われるなか、zoom等を利用したオンライン形式と現地開催を併用したスタイルでの実施となりました(図3~5)。

図03
 図3 会場となった国際センター

図04
 図4 主会場である大ホール

図05
 図5 こちらはポスター発表を掲示する会場


味と匂学会とは
 1991年に設立(前身は味と匂いのシンポジウム)された本学会は、主に味覚と嗅覚についての科学的な研究発展を図ることを目的としています。
 新型コロナウイルス感染症が蔓延する昨今、感染者の中に匂いが感じられない。味が分からないという主訴の方が激増しました。たかが匂い、と思われてしまうかも知れませんが、人が匂いを感じ取れないことへの代償は、思ったよりも大きなものです。
匂いの重要性
 たかが匂い、と思われてしまうかも知れませんが、人が匂いを感じ取れないことへの代償は、思ったよりも大きなものです。
 例えば食事です。
 どんなに美味しい料理でも、鼻をつまんでしまうと途端にその料理の風味が激減してしまい、美味しさを感じられないことに気付かされます。

 人間の舌は主に五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を感じていますが、そこに加えて料理の匂い(風味)が加わることで迷走神経が刺激され、内臓の動きが活発化する作用があります。
 また、匂い刺激によって昔の記憶や感情が蘇る「プルースト効果」という現象もあります。これはフランスの作家マルセル・プルーストの著『失われた時を求めて』の作中で、語り手がマドレーヌの味をきっかけにして、幼少期の家族の思い出が蘇ったことから、そう呼ばれるようになりました。

関連書籍
 院長監修の医学コミック⑨『味気ない世界の中心で』は、味覚障害を分かりやすいストーリーで紹介しています。
 本HPの書籍コーナーで、無料閲覧できるよう準備を進めています。

図06

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