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2022年10月(No.332)

 

日本イスラエル国交70周年記念式典 in 亘理町

総務課 青柳 健太

図01


はじめに
 2022年9月20日(火)、台風14号の影響が懸念されるなか、宮城県亘理町で日本イスラエル国交70周年を祝う式典が開催されました。
 主催は、本誌では何度もご紹介している、イスラエル親善大使として東日本大震災の被災者向けに心のケアとコミュニティ作りの支援活動を続けるセリア・ダンケルマンさん(NPO法人セリアの会 代表)です。
 会場は、2020年1月に新庁舎となった亘理町役場です。
 厳重な警備のなか招待者二百名近い関係者が、木のぬくもりを感じさせるホールに集い、日本とイスラエルそれぞれの代表が祝辞を述べられました。

心打つ歌声
 挨拶の中で、イスラエル大使ギラッド・コーヘン氏は「子供は希望の象徴だ。いつか大人になった時にこの亘理町へと戻って、その力を存分に発揮して欲しい」と、故郷への想いを抱き続けて欲しいと力強く語りかけていました(図1)。

図02
図1 セリアさん(左)とギラッド駐日大使(右)


 院長が後援会長を務める秋葉賢也復興大臣や西村環境大臣、村井県知事も参加予定でしたが、あいにくと公務のため代理の方が出席され、お祝いの言葉を代読されました。
 また、台風のため参加が危ぶまれた地元保育園の子どもたち約70名が参加し、両国の国家や、イスラエル独立記念日に歌われて国民的大人気となった『黄金のエルサレム|イェルシャライム・シェル・ザハヴ』と『ハレルヤー』などのメドレーソング。日本の唱歌『故郷』、セリアさんのオリジナル曲『ことば無くそばにいる』を合唱。その澄んだ歌声に参加者全員が聞き入りました。

メノラーファームで稲刈り
 その後、場所を同町内にあるメノラー国際リーダーシップセンター(震災時の仮設住宅を移築した場所)敷地内のメノラーファームに移し、畑点滴潅水システムで栽培したお米の刈り入れ式が行われました(図2)。

図03
図2


 このシステムは、世界各地に拠点を持つネタフィム社から提供され、真水の少ないイスラエルで農地開拓するために開発された技術です。ごく少量の水などをパイプ経由で供給し、気候・土の状態をインターネットで遠隔管理しつつ作物を栽培するこのシステムは、通常の水田に比べてメタンなどの排出ガスの影響が少なく、環境対策としても注目されている技術です。
 黄金の穂を実らせた稲は、刈り取られた後に稲架(はさ)にかけて天日干しされます。
 その作業を行なったギラッド大使は「新しい技術と伝統農業の合わせ技は大変興味深い」と、感想を述べられていました(図3、4)。

図04
図3

図05
図4


この交流事業を通して、亘理町の子どもたちの目が世界に向き、国外から改めて日本や故郷に思いをはせる機会になることを願っています。

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図06

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