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2023年1月 No.336

 

耳のお話シリーズ⑯
ラジオ3443通信「難聴児の言語教育と発話法3」


 ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
 ここでは2014年9月23日OAされた、耳にまつわる話題をご紹介いたします。

156 難聴児の言語教育と発話法3
An.
 三好先生、OAは「耳の日」のお話から、話題はアレクサンダー・グラハム・ベル一家をモデルにした、バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』と、そのミュージカル編『マイ・フェア・レディ』について、進行しています。
 そして、ベル一家の知り合いであり、『マイ・フェア・レディ』の原作者であった、バーナード・ショーって人が、どうやら相当な皮肉屋さんだったらしいって、伺いました。 たしかに江澤も、バーナード・ショーの有名な皮肉について、どこかで耳にしたような気がするんですけれど、
 ……今ここでは思い出せないんです、先生(笑)。
Dr.
 たしかに江澤さん、バーナード・ショーと言えば、少し意地悪なコメントの数々が有名で、中には私たちが聞いても笑えるような、気の効いた寸言もあります。
 ここでいくつか、ご紹介しましょう。
An.
 江澤は楽しみです(笑)。
Dr.
 江澤さんにとっておきなのが、こんなセリフです。
「食物を愛することよりも誠実な愛は存在しない。」どうでしょう?
An.
 三好先生(笑)。この3443通信の収録は、昼食直前の時間帯に行なわれるんですけど……。
 そう言われると、グサッと来ますね!
Dr.
 特に江澤さんの胃袋には、直接こたえそうな寸言でした(笑)。
An.
 おもしろいんですね、先生。
 先生、他にはどんな発言が、有名なんでしょうかね。楽しみですね~。
Dr.
 こんなのは、どうでしょう?
「人生には2つの悲劇がある。1つは、抱いている希望がなかなか実現されないとき。もう1つは、それが実現してしまったとき、である。」
An.
 判ります。先生、江澤にはその言葉、すっごく良く判ります。
Dr.
 さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。 えらく「ピン」と来たような、頷き方をしてますね(笑)。
An.
 先生、その一言、すごく美味しそうなケーキで、江澤はいつも実体験します!
Dr.
 えぇっ? それは何のことでしょう?
An.
 江澤にとって人生の悲劇は、目の前にあるすっごく美味しそうなケーキが、どうしても口に入って来ないとき、のことです。
Dr.
 判るような気がします(笑)。
An.
 でもね、先生。それ以上の、江澤にとっての最大の悲劇は、その後に来るんですよ。
 ああ、何という悲劇の瞬間が可憐な江澤を襲うんでしょう……と後でくるんですよね。
Dr.
 私はなんだか、江澤さんがすごく気の毒になって来ました。
 でもね、もったいぶらないで教えてくださいよ、その悲劇っていったい何でしょう?
An.
 それは先生、もちろん決まってるじゃないですか! その目の前にあるすっごく美味しそうなケーキを、食べ終えた瞬間ですよ! 先生! (笑)
 人生の希望がすべて消失したような、あの喪失感と虚無感が、三好先生には理解して頂けますでしょうか!?
Dr.
 江澤さん。私は江澤さんが、バーナード・ショーの寸言を、完璧に理解しているってこと、良く判りました(笑)。
 でもね、江澤さん。江澤さん以外のリスナーにも、良く理解できるような寸言も、バーナード・ショーにはあるんですよ。
An.
 三好先生、それもぜひ聞かせていただけますか?
Dr.
 江澤さんも読書家で、本を読むことが大好き、でしたよね?
An.
 (笑い)三好先生、江澤は文学少女ですから、当然です。
Dr.
 江澤さんが、人生で一番影響を受けた本は何でしたっけ?
An.
 それは堀辰雄の『風立ちぬ』です、先生。
Dr.
 最近ジブリで、アニメ化されましたもの、ね。
 あれが宮崎駿の最後のアニメ作品かと思うと、私も喪失感を味わっています(笑)。それはともかく、ですね(笑)。
An.
 お話は、バーナード・ショーです。
Dr.
 バーナード・ショーが、江澤さんと同じ質問を受けたことがあります。
 そのとき、ショーはどんな風に答えたでしょうか? 江澤さん。
An.
 江澤はこの時間帯には、お腹にエネルギーが残っていないので……(笑)。
 先生、正解をお願いします!
Dr.
 ショーは一言。こう答えたそうです。
「私の人生にもっとも影響のあった本ですって? それは、銀行の預金通帳に決まってますよ! 」ですって(笑)。
An.
 スゴイッ!(笑)でも、なんだか、凄すぎて、ついて行きにくいような感じが……(笑)。
Dr.
 真摯な寸言も、有名です。
「自由は責任を意味する。だからこそ、たいていの人間は自由を怖れる」
An.
 バーナード・ショーくらい、皮肉が効きすぎるほどの自由な発言が多かったら、責任を取らされることも少なくなかったでしょうから。きっと、実感の篭もった寸言なんでしょうね。
Dr.
 『マイ・フェア・レディ』を思い出すような、こんなこっけいな一言も知られてます。 あるパーティー会場でバーナード・ショーが、当時の有名女優、美人さんだんたんでしょうね、プロポーズされたときのお話です。
 美女として名を轟かせていたその女優は、ショーに向かってこう言いました。
「あなたの知性と私の美貌を兼ね備えた子どもがもし生まれたら、どんなに素敵でしょう!」
 ショーはこう、答えました。
「あんたの知性と私の顔を備えた子どもが生まれたら、どうしましょう?」(笑)
An.
 先生、これはグッときますね~!
Dr.
 ところが、ショーの生まれた時代背景とその思考つまり考え方を研究してみると、ショーの寸言には単なるジョーク以上の、真剣な姿勢が篭められていることも判って来るんです。お話は続く、です。

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