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2023年3月 No.337

 

古き良き洋食屋「アメリカングリル」が閉店!?

図01


 仙台の中心地にあるアーケード街「サンモール一番町通り」。
 地下鉄東西線の青葉通一番町駅を基点に南北に延びるそのアーケードの南側に、知る人ぞ知る昭和レトロ感の漂うエリア、通称「ぶんよこ」の名で親しまれる文化横丁があります。
 近代建築の並ぶその裏側でひっそりと佇む天井の低いアーケード街である文化横丁は、もともとは1924年(大正13年)に誕生した「東百軒店街」が原型となっており、いまでも昭和の面影ののこる魅力的な雰囲気に包まれながら、新旧様々なお店が集まる面白スポットとして親しまれています。

 その一角に、私が子どもの頃に良く連れられて来た洋食屋「アメリカングリル」がありました。

 戦後、進駐軍の川内キャンプでコックをしていた店主が開業したお店で、看板メニューである昔ながらのオムライスが大好物でした。
 2017年、文化横丁から仙台三越直近の旧・小田急ビルの地下に移転(図1)されて営業を続けててこられましたが、このたび創業から71年の歴史に幕を降ろすことになると知り、いてもたってもいられずに、食べ納めのためにお店に伺いました。
 ビルの老朽化による建て替えという避けられない理由とは言え、思い出の詰まったお店がまた一つ姿を消すことに寂静感を禁じ得ません。
 古い馴染みである店主と記念撮影し、私は懐かしの「オムライス」を、家内は「ステーキ」を、そして娘は「ハヤシライス」をオーダーしました。

図02
 図1 1階階段脇に置かれたお店の看板(向かって左ではありません。右です)


 舌に感じるコク深いポタージュスープ(図2)。
 甘めのソースがマッチするステーキ(図3)。
 薄く焼いた卵に包まれたオムライス(図4)。

 以前と変わらず、いや、思い出が積み重なった分だけお腹にジンワリと染み入ってくるような美味しさに、思わず唸ってしまいそうになります。
 願わくば、またこの味を楽しめる日が来ることを祈って。
 ごちそうさまでした。

図03
 図2 ポタージュスープ

図04
 図3 ステーキ

図05
 図4 オムライス

図06
 図5 ご店主との記念写真

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