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2024年1月 No.347

 

英国紅茶シリーズ22
ラジオ3443通信「江澤・三好丸とヨーロッパ最大の都市」

 

ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
 ここでは2013年12月10日OAされた、英国紅茶にまつわる話題をご紹介いたします。

139 江澤・三好丸とヨーロッパ最大の都市
An.
 三好先生、前回の私たちのお話は、『江澤・三好丸』という船にマルコ・ポーロを乗せて、ヴェネツィアから800年前の元の都へと、航海に出発したところでした。
 マルコ・ポーロと私たちの船は、アドリア海からコバルト・ブルーのマルマラ海へと、進路をとります。
 このマルマラ海の『マルマラ』という語は、マーブルすなわち大理石に語源があり、大理石を産出する島がここにあるからだと、そう伺いました。
 そう言えば先生、英国の紅茶に使用される茶器ですが、真っ白いいかにも清潔な陶磁器に、それこそみごとなコバルト・ブルーの色彩がほどこされています。
 ……まさか先生、陶磁器のコバルト・ブルーと、マルマラ海との間になにか不思議なご縁が潜んでいる、なんてことありませんよね(笑)?
Dr.
 さすが第6感の江澤さん。
 ここまで話題が進行してお判りのように、景徳鎮や宜興の陶磁器にはコバルト・ブルーの彩色がなされて、紅茶の茶器となります。このコバルト・ブルーの色に染める、コバルト顔料つまり絵の具はイランに、その材料があったんです。
An.
 それじゃそのコバルト顔料と、中国の陶磁器の出会いが、紅茶の茶道具として結実した!?
Dr.
 江澤さん。結論を先に言わないでください(笑)。
 マルコ・ポーロと私たちの『江澤・三好丸』は今、マルマラ海を航海中です(笑)。
An.
 そうでした先生。私たちは、コバルト・ブルーの海を満喫しながら、一路黒海へと向かっています(笑)。
Dr.
 マルマラ海から、私たちの船はトルコのイスタンブールを眺めつつ、ボスポラス海峡を横切ります。
 ところで江澤さん。突然ですが、ヨーロッパ最大の都市って、どこだかご存じですか?
An.
 そりゃ先生。花の都・パリか、霧の都・ロンドンの、どちらかじゃないでしょうか?
Dr.
 江澤さん。座布団1枚、減っちゃいましたね(笑)。
An.
 えぇっ、そんな!!
Dr.
 世界最大の都市はインドのムンバイで、1,300万人が住んでいます。
An.
 さすがインドですね!
Dr.
 2番目がパキスタンのカラチ、3番目がやはりインドのデリーです。
An.
 それは、判るような気がします。
Dr.
 4番目がブラジルの、サン・パウロ。5番目がロシアのモスクワ、6番目が韓国のソウルです。
An.
 ちっとも知りませんでした。
Dr.
 そして7番目に、ヨーロッパ最大の都市であるイスタンブールが、ランク入りします。
An.
 イスタンブールが、ヨーロッパ最大だったんですね!? 意外でした。
Dr.
 話題のついでに、世界の主な都市の人口について、ここで少しご説明しましょう。
An.
 中国も人口が多そうですけれど、世界では何番目くらいなんでしょうか?
Dr.
 さすがは江澤さん。上海が世界の8番目の人口となっていて、980万人が住んでいます。
An.
 先生、先生。私たちの日本はどうなんでしょう。東京は?
Dr.
 東京と一口に言っても、あんまり広い概念なので、いわゆる東京23区の人口は900万人ちょっとで、世界の9番目の都市になっています。
 もっとも、東京都全体では1,300万人ですので、カウントの仕方にも依るのかも知れません。
An.
 アメリカはあんまり、人口が多くはないんでしょうか?
Dr.
 南北アメリカを併せると、メキシコシティが870万人で、最大です。
An.
 いわゆるアメリカつまりUSAは、どうでしょう?
Dr.
 ニューヨークが人口800万人で、合衆国1番の都市となります。
An.
 (笑)イメージ通りですねぇ。
Dr.
 江澤さんの気かがりなロンドンは、人口755万人で、世界で15番目の都市です。
 ついでにつけ加えれば、16番目の都市は北京で、その人口は744万人となっています。
An.
 先生。花の都・パリはどうなんでしょう? 気になります(笑)。
Dr.
 パリは残念ながら、人口220万人で、世界的にはかなり小さな都市となります。
An.
 それじゃ先生。マルコ・ポーロと私たちの『江澤・三好丸』は、たった今、ヨーロッパ最大の都市の目の前を横切りつつあるんですねぇ。
Dr.
 このイスタンブールは、12世紀に十字軍が対イスラム教徒の戦いのために東方に派遣された時代には、コンスタンチノープルの名前で知られていました。
An.
 聞いたことがあります。
Dr.
 ですから当時のイスタンブールは、イランなどイスラムの世界とは隣接しており、その文化の影響をつよく受けていました。
 先にご説明しましたが、コバルト・ブルーの色に染める、コバルト顔料つまり絵の具はイランに存在しました。
An.
 イスタンブールにも、コバルト顔料は存在したんですね?
Dr.
 ですから、イスタンブールのコバルト顔料がいかにして、景徳鎮や宜興の陶磁器のデザインに使用されるようになったのか、がナゾなんです。
An.
 先生もしかしたら、私たちの『江澤・三好丸』は、その謎を解明するために航海しているんじゃあ、ありませんか?
Dr.
 江澤さん。次回はその謎を解きあかすために、私たちの進路は元の首都へと向かっています。お話の続きを、胸をときめかせて待っていてください。

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