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2024年5月 No.351

 

「南三陸町フェア」inルート227カフェ

秘書課 菅野 瞳

図01
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『杜の都』と言われる、ここ仙台のイメージがしっくりくる定禅寺通りの一角、勾当台公園内にあるお店『ルート227カフェ』に行って来ました。
 こちらのお店は、敷地内にテラスを併設しており、夏場には気持ちよさそうにビールを傾ける客人をよく見かけます(図1)。

 さて、この度の院長からの指令は……年始から開催されている『第2弾 南三陸町フェア』の取材、所謂食レポになります。何ともおいしい&美味しい、食いしん坊の私には、うってつけのお仕事です(笑)。
 南三陸町フェアのメニューは、全4種。店内にも南三陸町フェアの案内が点在し、三陸海岸で採れた新鮮な海鮮を使ったメニューたちが、私の食欲をこれでもか! と煽ってきます。

 また私が、メニューと同じくらい楽しみにしていたのが、南三陸ワイナリーのワインです。南三陸でワイン? 何度となく南三陸町を訪れていますが、南三陸のワイナリーというのは見聞きしたことがありません。南三陸食材とのマリアージュを楽しんでくださいとのことなので、南三陸食材と南三陸ワインの素敵なハーモニーを味わわせて頂くとしましょう。

潮風を浴びた葱と肉厚椎茸のゴルゴンゾーラグラタン

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 まず運ばれてきたのは、『潮風を浴びた葱と肉厚椎茸のゴルゴンゾーラグラタン』です(図2、3)。この名前だけで美味しくないわけがないと思ってしまいますが、肉厚の椎茸よりも私は、水分をたっぷり含んだ葱が印象に残りました。予想以上に瑞々しい葱を一噛み二噛み……。大きい声では言えませんが、中から飛び出す水分で、口内の上顎部分を火傷するというお土産がつきました(笑)。
 思いがけずの負傷にくじけることなく、甘みの強い葱と食べ応えありの肉厚椎茸、それに更なるうまみを加えるゴルゴンゾーラチーズの、三位一体の一皿を食べ進めていると、お次の一皿が登場しました。

南三陸真蛸とジャガイモの本場のガリシア風

図04
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『南三陸真蛸とジャガイモの本場のガリシア風』というメニューです(図4)。
 いつも気になってしまう“〇〇風”と名付けられるメニュー。はて、ガリシア風とは一体……? 気になることをそのままにはしておけない私は、このメニューを食す前にネット検索です。
 ガリシア風とは、スペインのバル料理によく登場する、タコとジャガイモを使う郷土料理のことを言うそうです。ということは、このメニューは、はいそうです、見たまんま! ということです(笑)。
 いざ実食をしてみると、真蛸がとても柔らかく、ホクホクのじゃがいもと共に口の中でユニークな食感を醸し出します。パプリカパウダーで薄化粧が施されていましたが、欲を言えばもう少しパプリカの主張があっても良いかなと感じる一皿でした。
 しかしながら、ワインが進む一皿だったことは言うまでもありません。

南三陸ホタテ貝のムニエル。南三陸産ワインのバターソース

図05
 図5


 そして真蛸に次いで登場したのは、『南三陸ホタテ貝のムニエル。南三陸産ワインのバターソース』というメニューです(図5)。
 想像よりも小ぶりなホタテ貝ではありましたが、肉厚で甘みの強いホタテ貝は、その表面がカリッとムニエルされており、貝柱を噛む度に凝縮されているうまみが溢れ出てくるのが分かりました。

南三陸産牡蠣と春つげ菜花のジェノバ風パスタ

図06
 図6


 飲み込んでしまいたくないなと思いながら噛みしめていた貝柱に別れを告げ、いよいよ『南三陸産牡蠣と春つげ菜花のジェノバ風パスタ』がお目見えです(図6)。
 ガリシア風に続き、お次はジェノバ風……これは、イタリア語での言い回しであり、英語にすればジェノバ風はバジル風味にあたります。
 まだ春を感じるには時期尚早ですが、リザーブされたパスタプレートは素晴らしい程に鮮やかな緑色を帯びており、プレートに目が釘付けになりました。

「チーズは如何なさいますか?」とスタッフさんにお声掛けを頂いたのですが、このイキイキとしたお野菜と三陸産の牡蠣の風味をなるたけ味わいたいと思い、追いチーズは控えることにしました。チーズ大好き人間としては、苦渋の決断(笑)。

 そして実食です。このパスタは乾麺ではなく生パスタで仕上げられているため、麺がモッチモチでバジルの風味が生パスタによく絡み、そこにぷくぷくとした牡蠣を含めば、もう言葉を発する必要はなく、私の口の中に出来た南三陸ワールドをひたすら堪能しました。
 流石にパスタを食べ進めると、やはり追いチーズへの未練が押し寄せましたが、パスタに散りばめられた胡桃もとてもいいアクセントになっていて、最後の一口まで満足感いっぱいで完食をさせて頂きました。

 ここまでメニューのラインナップを綴ってきましたが、このメニューたちを引き立ててくれた南三陸ワインを紹介したいと思います。

 某女優さんが仰っていたように、「私の血はワインで出来ていますっ!」などと、大それたことは申しませんが、私はなかなかのワイン好きです。その中でも私は、赤や白という括りではなく、スパークリング(発泡)のワインが好きです。
 残念ながら、南三陸町フェアの案内にはスパークリングワインの掲載はありません。これはダメ元でお聞きするしかない……!? と意を決した私は、早速店員さんに相談です。

 そうして待つこと数分……海を連想させるブルーラベルを帯びたボトルがお目見えしました(図7)。私のためにしまっておいて下さったのですね…・・・ということで、しっかり頂きます(笑)。

図07
 図7


 お出し頂いたワインは、写真にもありますように、白のスパークリングワインです。店長さんからは直々に「お魚料理全般に物凄く合います!」とのお墨付き。シュワシュワシュワと注いで頂き、爽やかな酸味を感じさせて頂きました。
 南三陸町は、三陸海岸に位置する町ということで、この取材を行う前までは海鮮にしか目が向いていませんでした。海鮮を食べておけば間違いないだろうという、そんな感覚でいましたが、これは大誤算。南三陸町の美味しい! を、幅広く知ることができ、私の胃袋だけではなく大満足の取材となりました。

 ルート227カフェのコンセプトは、『東北227市町村の魅力を発信しよう!』だそうです。227もの街があるということは、美味しい物・美しい場所・面白いことが数倍ある筈です。
 南三陸町フェアの後も、企画されているイベントが目白押しのようですが(2024年2月からは、福島県飯館村フェアが開催されます)、東北の魅力をあますことなく発信し続けて頂きたい、そしてお腹を空かせ訪れた方々の胃袋を満たして頂きたいなと思いました。仙台の街の中で、南三陸を感じた贅沢なひと時でした。

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