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2024年7月 No.353

 

衆議院議員 秋葉賢也 後援会“葉っぱの会”主催の
東京バスツアー2024に参加しました

秘書課 青柳 健太


はじめに
 院長が後援会長を務める衆議院議員 秋葉賢也 代議士(元復興大臣)の後援会が主催するバスツアーに参加しました。
 新型コロナウイルス感染症の流行以降、なかなか実施が出来ずにおりました本ツアーは主に宮城県の後援者を乗せたバスを使った見学ツアーです。
 今回は、茨城県にあるJAXA筑波宇宙センターや、開館60年を向ける浅草演芸ホール、立法機関の中枢である国会、そして今年のアカデミー賞長編アニメ映画賞やカンヌ映画祭で名誉パルムドールを受賞したスタジオジブリのジブリ美術館を巡りました。

 ツアー出発日の6月4日(火)の朝、仙台駅東口から貸し切りの観光バス(図1)に同乗し、ツアー一行は常磐道を経由して最初の目的地である筑波宇宙センターへ向かいます。

図01
 図1


筑波宇宙センター
 つくば市の筑波研究学園都市の一角にある筑波宇宙センターは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設です。宇宙開発に関わる技術研究をおこなう総合施設で、1972年に開設されました(図2)。

図02
 図2


 本施設では主に宇宙飛行士の養成や、宇宙開発の研究や試験、人工衛星の管理などが行われており、特に今回の目玉である国際宇宙ステーション(ISS)に接続された日本の宇宙実験棟『きぼう』を運用管制しているコントロールセンターの見学はISSのリアルタイムな状況を確認できる貴重な機会です。
 この施設に入るためには予約が必要であることに加えて、入場当日は身分証明書による個人認証が必須とされています。

 受付を終えた一行がまず案内されたのは、施設広報をおこなう視聴覚室でした。
 筑波宇宙センターの設立とその目的を説明する約10分の動画を鑑賞し、次いで向かったのは宇宙実験棟『きぼう』のコントロールセンターのある管制棟です。

 実は、宇宙飛行士を養成する試験棟の見学も予定に組み込まれていたのですが、訓練日程の関係から試験棟の見学は中止となりますとアナウンスがありました。さすがは宇宙開発の最前線で稼働する施設だなと感心しましたが、少し残念な気持ちもありました。

 管制棟に入る前に係官からいくつかの注意事項が告げられました。

 ロビー以外での写真撮影、入口から外に出る事、コントロールセンターの見学室内への撮影・録音機材の持ち込み禁止(スマホなどは一旦預ける必要があります)と言った内容が説明されました(図3~5)。

図03
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図04
 図4

図05
 図5


「それでは見学室に移動します!」

 係官のアナウンスを受けて、私たちは十畳ほどのスペースの見学室へと入りました。部屋の後ろ半分が数段の階段状になっており、正面の壁にはシャッターが下ろされた大きなガラス窓がありました。
 シャッターが上げられ、コントロールセンターの内部がついに公開されました(図6)。

図06
 図6


 少し大きめの会議室くらいのスペースには、SF映画でよく見るような大型の壁掛けディスプレイが正面にあり、両側の壁には様々なデザインのマークが飾られています。それらはミッションマークと呼ばれるもので、様々な宇宙実験や調査などのミッションをイメージして作られました。

 正面ディスプレイに向き合うようにして並んだ横長のデスクでは、『きぼう』の運用に関わるリアルタイムのデータが無数の液晶画面に映し出されていました。
 それぞれ担当する部門が異なり、管制(電力、通信)、エキスポ(各種実験データ)、FLAT(きぼう内の環境)、パイロットとの交信などを司っており、それらを統括するフライトディレクターを始めとする少数精鋭のスタッフたちが24時間365日体制で運用しています。

 見学時、ISS内の時間は午前五時半と表示されており、宇宙飛行士の殆どはスヤスヤと睡眠をとっているところでした。あと30分もすれば起床時間となり、宇宙飛行士たちは夜の21:30まで様々な活動が行なうのだそうです。
 宇宙空間を超高速で移動するISSでは昼夜は1日6回も切り替わり、宇宙飛行士たちのスケジュールは5分刻みで完璧に管理運用がなされているそうです。超過密なスケジュールは売れっ子アイドル以上の忙しさです……。

 全体的には短い見学時間でしたが、日本の最先端をいく宇宙開発の現場を見れたことは非常に興味深い体験となりました(図7、8)。
 名残惜しくも宇宙センターを後にした私たちは、次の行程である東京下町の浅草演芸ホールへ向かいます。

図07
 図7

図08
 図8


浅草笑いの伝統『浅草演芸ホール』
 古き良き時代を感じさせる浅草演芸ホール(図9)は、1964年に開業しました。
 当初は元々あった浅草フランス座を増築した4、5階に誕生した浅草演芸ホールでしたが、その後1階へと場所を移しました。

図09
 図9


 上野の鈴本演芸場、新宿の末廣亭、池袋演芸場と並ぶ、東京の落語定席の一つとして地元住民に親しまれてきました。落語定席とは1年365日休まずに落語公演を行っている劇場のことで寄席(よせ)とも呼ばれています。
 10日替わりで公演者が入れ替わり、落語のほかにも漫才、漫談、コント、マジック、紙切り、曲芸、ものまねといったバラエティに富んだ内容を送り続けています。

 うっすらとオレンジの提灯(電球)に照らされた座席(図10)に腰を落ち着け、正面の高座にひかれた緞帳が上がると、いよいよ寄席の始まりです。

図10
 図10


 寄席は昼の部と夜の部の2部制となっており、私たちが鑑賞するのは夜の部でした。
 テレビやネットなどの通信系娯楽のなかった時代、庶民の一般的な娯楽として流行した落語では様々な演目を題材として笑いを提供してきました。
 人の不幸は蜜の味……こんな生々しい言葉が残されていることからも、他人様がアタフタするようなアクシデントに見舞われるお話しというのは、いつの時代でも一定の興味を引く題材のようです。それは落語でも同じで、色恋とくに不倫話は特に観客の間で親しまれているようです。

 この日に鑑賞したのは、漫才師の宮田陽・昇、落語家の三遊亭遊史郎、藍馬、遊子、三笑亭茶楽、小夢、桂富丸、ウクレレ漫談のぴろき、マジシャンの北見伸&スティファニーの9名でした。

 画面で見るのとは違うライブ感と言いますか、どこで笑って良いのか分からないような緊張感と、周囲の観客と一緒に笑いを共有できる空間は、劇場型エンターテイメントの醍醐味と言えました。
 19:00まで寄席鑑賞を楽しんだ一行は、ホテルへと向かい翌日を迎えます。

大賑わいの国会ツアー
 晴天に恵まれた朝、バスに乗車したツアーメンバーは本日最初の行程である衆議院議長公邸に向かう……ところでしたが、急な公務予定のため中止となり、代わりに国会議事堂の見学ツアーに差し替わりました。この時期は学校の校外授業シーズンということもあり、国会には多くの小・中学生が詰めかけていました。
 周囲の近代建築のなかに一際重厚な存在感を示している国会議事堂ですが、別名“白亜の殿堂”や“石材の博物館”とも呼ばれています(図11)。

図11
 図11


 まず、外壁に使用されているのは御影石(花崗岩)ですが、2階以上にはほんのりと桜色に染まる“桜みかげ”と呼ばれる尾立石(広島県倉橋町産の花崗岩)が用いられるなど、外観部分には3種類の御影石が、内装にはなんと37種類に及ぶ大理石が使用されています。
 それら全てが国内産の石材が選ばれており、建設計画の持ち上がった1886年から50年後の1936年に完成に至ります。
 内部を歩いていると、まるで宮殿の中にいるような感覚にさせられ歴史の重みを肌で感じることが出来ます。

 主な見学場所は『中央広場』『衆議院議場』の2カ所です。

 中央広場(図12)は、国会で一番目立つ中央塔の中にあります。1~6階までが吹き抜け構造となっており、法隆寺の五重塔がスッポリ入るほどの高さがあります。その更に上階にはダンスホール(諸説あり)があるのですが、一般公開はされていません。

図12
 図12


 中央広場の1階の四隅には台座があり、その内3つには三人の偉人の銅像が設置されています。それぞれが自由民権運動の発起者・板垣退助、日本初の“政党内閣”の総理大臣・大隈重信、日本初の総理大臣・伊藤博文で、最後の一つは台座のみとなっています。

 なぜ、一つが空席なのか。
 それは「政治に完成はない、未完の象徴」とする説や、皇居に対して像がお尻を向けてしまうから設置されなかったなど、諸説あるようです。

 次いで、通路と階段をグルグルと巡ってやって来たのは、国会のメインとも言える衆議院議場(本会議場、図13)です。

図13
 図13


 正面に天皇陛下の座す“お席”と、その直下に議長席があります。そこから左右に与党大臣席が伸びており、それらに向かい合うようにして半円形に配列された各議員席が並んでいます。テレビ中継で見るのと比べて、国の中枢機関である空気の重みを肌全体に感じ取れます。
 私たちは議場を見下ろせる傍聴席での見学でしたが、その手前の控室にはマスコミ関係者が控えており、午後の審議を待っている姿が見受けられました。

国政報告会 in ルポール麹町
 国会見学を終えたメンバーはふたたびバスの上の人となり、すぐ近くにあるホテル“ルポール麹町”へ向かいます。
 ここでは秋葉賢也議員による国政報告会が行われました。

 会の冒頭では、自民党幹事長の茂木敏充議員、秋葉東京後援会の会長である木村清氏(すしざんまい社長)からご挨拶を頂きました。

 秋葉議員は、現在衆議院の消費者問題に関する特別委員長という立場から『消費者行政の現状と取組について』の講演を行いました。
 インターネットが普及する以前には、高齢者などの訪問販売などの相談が多く寄せられていましたが、現在はインターネットを通じたサービスや美容に関する相談が顕著に増加しているそうです。

 特に2022年には脱毛サロンに関する相談がより多く寄せられていたそうで、確かにテレビやインターネットでも男女問わず脱毛の広告が多く流れていたなと記憶しています。

 そこから2023年にかけて多く寄せられたのが、SNSで著名人を名乗る勧誘トラブルでした。その相談件数の推移は約10倍。他には給湯器の点検と称して交換を促す業者や、パソコンを使用中にウイルス感染したという通知からのサポート詐欺など、多岐にわたる詐欺行為が報告されているそうです。
 何事にも疑ってかかるというと、少し寂しいような気持ちにさせられてしまいますが、原則は自衛できるだけの知識とすぐに判断せずに時間を置くという、初歩的な対応が求められています。

三鷹の森ジブリ美術館を見学
 今回のツアーの目玉である三鷹の森ジブリ美術館は、スタジオジブリの宮崎駿監督が発案したジブリに関する展示品を収蔵する施設です。そのきっかけは美術館の構想を描いた一枚のイラストがその始まりです(図14)。

図14
 図14


 日本さくら名所100選にも選定されている井の頭恩賜公園の一角、西園の林の中にジブリ美術館はひっそりと佇んでいます。
 建設の際、もともとの樹木をできる限り残すようにしたため、施設内には建物よりも高い赤松の木がいくつも生えています(図15、16)。

図15
 図15

図16
 図16


 当初の予定よりも見学時間が30分短くなってしまったとのことで、駆け足での施設見学となりました。
 平日にも関わらず多くの見学者が列を作り、そのなかには一定数の外国人観光客の姿もありました(図17)。さすがは世界のジブリ。宮崎監督の世界観を少しでも肌身に感じようと、入場を今か今かと待ち望んでいます。

図17
 図17


 受付を済ませると、すぐ脇の階段から地下へと降りていきます。美術館の建物は土地を掘り下げて建てられているため、周囲からは一段低くなっています(図18)。
 建物中央部の吹き抜けの中央ホールからは、採光用の丸いガラス天井とそこで回る大きな天井扇が目に飛び込んできます。暖色系の照明と木製の内装が暖かい雰囲気を感じさせてくれました。

図18
 図18


常設展示室「動きはじめの部屋」
 まず最初に足を運んだのは、中央ホールに隣接している常設展示室です。薄暗い照明のなかで、アニメがどのようにして動いているのかを解説する仕組みが解説されています。
 ゾートロープと呼ばれる回転のぞき絵は、円形の筒の表面に少しづつ動きをつけた絵を描き、それを高速で回すことであたかも絵が動くように見える仕掛けが随所に設置されています。

 この器具は、1834年にウィリアム・ジョージ・ホーナーというイギリスの数学者が発明したと言われています。まさかアニメの発端が、画家などではなく数学者だったとは思いもよりませんでした。

 そして、特に目を引いたのが『トトロぴょん×2』と題された大型の人形盤です。

 前述の絵ではなく、円状に配置された18体のメイの人形が動き出すと発光ダイオードが秒間18回の早さで点滅し、あたかも人形がその場で動いているように見える仕掛けです。静止状態ではただの人形が並ぶだけに見えますが、照明効果と動きを連動させることで生きているように動き出す様子は、子どものみならず大人も「おぉ!」と感嘆の声を上げていました。

常設展示室「映画の生まれる場所」
 先ほどの展示室の真上には、もう一つの常設展示室があります。5つの小部屋で構成された各部屋には、まるで直前までアニメ制作をしていたかのような部屋の様子が表現されています。
 壁いっぱいの本。
 書きかけの絵と机上に転がる鉛筆。
 吸いかけのタバコ。
 紙ゴミだらけのゴミ箱。
 ちょっとした閃きやアイデアを練り上げ、悪戦苦闘しながら一本の映画を作り上げていく様子を時系列に表したこの展示室が、私にとって一番の見どころでした。

 その理由は、壁のいたる所に貼られた各作品の背景やキャラクターのラフ画の存在です。そのどれもが、今にも動き出しそうな生きた線で描かれており、見つめていると吸い込まれるような錯覚に陥ってしまいます。
 一枚のラフ画を見つめ、その隣の絵に移る。次はその上、下と一見して無造作に貼られている何百枚ものラフ画を見ているだけで、何時間でも過ごせそうな気さえしてきます。

 館内は一切の写真撮影が出来ないことが悔やまれます。
 仕方なく、記憶に焼き付けようと時間一杯までラフ画に目を凝らしていました。

屋上庭園を守るロボット
 ジブリ美術館で必ず訪れたい場所の一つに、屋上庭園がありました。
『天空の城ラピュタ』に登場するロボット兵が見守る屋上庭園の写真は何度か見たことがあったので、ぜひ自分の目で見たいと思っていました。

 ですが、一向に屋上へのルートが見つかりません。
 エレベーターや階段も最上階までしか通じておらず、迷路のような館内をブラブラと見回っていると廊下の端に螺旋階段を見つけました。今いる場所は最上階。目の前の螺旋階段は上に向かって伸びています。

「もしかして……」

 そう思った時には、私は細長い鳥かごのような鉄柵の螺旋階段を上っていました。
 エアコンの効いた室内から、夏を思わせる熱気に包まれていくと、視界の先に屋上庭園が広がっていました。
 植えられた草花と公園の木々に囲まれた庭園には、まるで天空に浮かぶラピュタにいるかのような燦燦とした陽光が降り注いでいました。 

 その庭の中心に、朽ちかけたロボット兵が佇んでいました(図19)。

図19
 図19


 所々が欠けて錆の浮いた胴体を晒すその姿は、まさに作中に出てくるもの云わぬロボット兵そのものに見えました。
 体長は5メートルほど。
 真下に立つと見上げるくらいの高さがあります。

 何人もの見物客が、ロボット兵の前に立ち記念撮影をしています。
 その様子を、決して動くことのないロボット兵が静かに見守っていました。

 開館当初の写真を見ると、周囲の草花もいまだ成長途上でマンションの庭先というイメージが残っていましたが、20年余を経た今ではまるで森の中にいるかのような風景が広がっていました。時間をかけることで本当の姿が見えてくる。宮崎監督の思い描いた世界の一端を、直接目のあたりにすることが出来ました。

 このジブリ美術館は、国内ではほぼ唯一のジブリが運営に携わる遊戯施設でしたが、2022年に新たに愛知県長久手市にて待望のジブリパークが開業しました。スタジオジブリのアニメ作品の世界観を元にしており、園内は計5つのエリアに分けられています。

 次はぜひ、このジブリパークを訪れてみたいと願っています。

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