3443通信 No.363
三好耳鼻咽喉科クリニック ラジオレポート
ラジオ3443通信「花粉症の対策②」

耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって45年。今回は2015年2月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]
花粉症の対策②
An.
三好先生、今年初めてスギ花粉症になってしまったリスナーのために、花粉症の治療について一言どうぞ。
Dr.
花粉症はアレルギー性鼻炎の1種。つまり「抗原抗体反応」なんです。
An.
コーゲン…江澤にはハテナの世界ですけれども。
Dr.
スギ花粉やダニなどのアレルギー原因物質のことです。
An.
それじゃあ、コータイって?
Dr.
人体に入ってきた花粉やダニなどの原因物質に反応して、アレルギーを引き起こす、体内産生物質です。
An.
その花粉やダニなど「抗原」と、体内の「抗体」とが反応し合ってアレルギーの反応が起こる?
Dr.
さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。その鼻粘膜のアレルギー反応って、どういう症状でしたっけ?
An.
「くしゃみ・鼻水・鼻詰まり」、とっても悲惨な思いをします。
Dr.
アレルギー症状は目にも起こるんです。かゆくて、涙が止まらない。このアレルギー反応って江澤さん。どういう意味があるんでした?
An.
人体の、異物に対する防衛反応です。昔々、生活環境が清潔とは言えない状況だった頃、人体に対する異物の代表はウィルスやばい菌などでした。くしゃみ・鼻水・鼻詰まりは、それら有害な異物が人体内に入り込まないようにするための、合理的な防御機構だったんです。
Dr.
カゼのときのくしゃみ・鼻水・鼻詰まりもウイルスや、ばい菌に対する防衛なんですね!
An.
ところが住環境は近年、清潔になってウイルスや、ばい菌よりもスギ花粉やダニなどが増加しています。
Dr.
そうすると人体はウイルスや、ばい菌に対する正常な防衛反応のつもりで花粉やダニに対してもくしゃみ・鼻水・鼻詰まりを発生させ、逆に人間がツライ思いをしてしまう。
An.
鼻粘膜の「過剰防衛」が悪影響を及ぼしているわけですね。
Dr.
ですからまぎれもなく、スギ花粉症やアレルギー性鼻炎は鼻粘膜に病気の現場があります。
An.
治療の現場も鼻粘膜が中心。耳鼻科専門医での治療が最重要(笑)。
Dr.
スギ花粉症の治療は、第1に「花粉を吸い込まないようにすること」、第2に「花粉シーズン前から過敏反応を抑制する内服を活用すること」、第3に「病気の現場である鼻粘膜の治療を徹底しておくこと」が肝心です。
An.
「花粉を吸い込まない」ためには?
Dr.
花粉の多い地域と時間帯は用心して避けるようにします。マスクやゴーグルをうまく利用して、鼻粘膜を保護します。マスクは、空気の漏れが少ないものが理想的です。
An.
内服薬は、どんなタイプが?
Dr.
スギ花粉症の症状が発生してから治療するタイプの内服と、予防として役立つタイプとがあります。
An.
予防できるタイプのお薬を…。
Dr.
花粉飛散の2週間前から、内服する必要があります。
An.
一番重要な「耳鼻科専門医での治療」は?
Dr.
私は現在、痛みの少ない薬剤を鼻粘膜自体に塗布し、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりの過敏反応を抑制する、日帰り手術を実施しています。
An.
手術はシーズンに入ってからでも役立ちますか?
Dr.
実施可能ですし、効果は高いと思います。