3443通信 No.367
水彩画と随筆70
絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。

作品名「血の上教会(1)」
サンクト・ペテルブルグの町には、ロマノフ王朝の栄華を今に伝えるさまざまな建物があるが、この血の上教会はその豪華さでは他の追随を許さない。1881年皇帝アレクサンドル2世が暗殺され、まさにその上に建てられた教会である。完成に25年の歳月が費やされた。
外壁は、彩色タイル、大理石などで豪華に作られ色の洪水だ。見ているだけでお伽の世界に入り込んでしまう。内部もモザイク画で埋め尽くされている。この教会を見るだけでサンクト・ぺテルブルグを訪問してよかったとつくづく思った。