3443通信 No.369
水彩画と随筆72
絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。

作品名「アンコールワット」
12世紀に30年の歳月をかけて建設された壮大な石造寺院である。しかし盛者必衰の言葉どおりクメール王朝は滅亡し密林の奥に忘れ去られてしまった。日本では平安-室町時代に当たる時代に栄華を極めた帝国である。参道を進むと目の前に寺院の3塔の威容が現れる。すべてが石でできた建造物だ。いやが上にも神秘の領域に踏み込む興奮が高まる。