3443通信3443 News

3443通信 No.373

 

三好耳鼻咽喉科クリニック ラジオレポート
ラジオ3443通信「中国の緑化運動」

20260106114838-0001


 耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって45年。今回は2015年7月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]

中国の緑化運動
An.
 前回、中国でも日本同様、国土の緑化運動にスギが使用されたことについてお話を伺いました。
Dr.
 毛沢東の指示で開始された「大躍進」の時代、中国全土の山々の木々が燃料として使い尽くされ…。
An.
 日本と似たような「ハゲ山の連なる光景」が中国中に。
Dr.
 広がってしまったんですねぇ!
An.
 キャスリン台風などの降雨で日本に大水害が発生したように、中国でも大量の雨が降る都度、悲惨な大水害が発生するはずです。
Dr.
 私もこの目で確認したんですけれども、1998年の大洪水ではあの長江で氾濫が起こりまして。
An.
 長江って揚子江の上流の、すごく長い川ですよね?
Dr.
 この長江は延々と東西に中国を横切り、上海で海に面するんです。
An.
 江澤には想像もつかないくらい、長いなが〜い川なんでしょうけれども。大体どのあたりが、川の真ん中になるんでしょう?
Dr.
 詳しい数値は、今手元に持ってきていないんですけれども、江澤さんはすでにご存じの、武漢市あたりだと思います(笑)。
An.
 ええっ、先生! どうして、江澤にはなじみなんですか?
Dr.
 江澤さんの大好きなマーボー豆腐を食べるとき、必要不可欠なビール。このOAの第93回目でお話ししましたように、かつて武漢市原産のおいしいビールがあったんです。私たちが、この武漢市へアレルギーの調査に訪れたのは99年5月でしたが、98年の大洪水の爪痕が、長江を渡る巨大な「長江大橋」の川岸の堤防にもはっきりと。その頃まで中国の山々の治山治水は十分じゃなかったんですねぇ。
An.
 と言うことは、先生。「大躍進」のその後から、先生が長江の大洪水の跡を確認してこられた99年前後まで、中国では緑化運動が盛んに行なわれていたんですね?
Dr.
 この緑化運動に使用された木が、たまたま日本の戦後と同じスギの木だった。偶然そうなったのか、なにか理由があったのか、しばらく謎だったんですけど…。
An.
 先生がその謎を解くキーワードが「毛沢東」だった。
Dr.
 実は私たちは、その光景を自分の目で確認しようと、毛沢東が27年に立てこもった、江西省の井岡山(せいこうざん。図1)に行ってきました。江澤さんは20世紀初頭の中国の政治家、孫文をご存じですか?

図01
 図1 井岡山の光景


An.
 確か、辛亥革命を起こし、清の国から現在の中国に至る政治の基礎を築いた人で。
Dr.
 その孫文が亡くなったのが25年。直後に中国は蒋介石の「国民党」と、毛沢東の「共産党」とに分裂します。劣勢だった毛沢東軍は、上海から約600キロ離れ、深い緑に覆われた井岡山に移動し、ゲリラ戦を主体とした戦闘に入ります。
An.
 先生のお話のように井岡山は、全山スギだらけなんですよね。
Dr.
 隅から隅まで観察してきましたが、山々は全て中国スギで覆われていました。
An.
 毛沢東と共に革命の日々を送った若き共産党幹部たちは、スギの緑に心身ともに染まってしまったかも?
Dr.
 それが中国の緑化運動に、影響します。

[目次に戻る]