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3443通信 No.376

 

【投書】「神経の混線(?)で起きる花粉症症状」

三好 彰

図 表紙


 先般、『週刊現代』(3月3日発行号。講談社)に、女優の壇ふみさんの寄稿文『半世紀のともだち』というエッセイが掲載されました。
 その記事の中で、壇さんはピアスによる金属アレルギーや、鼻や目の花粉症症状に悩まされていたとお話しされていました。

 その要点としては――、

1.春先に喉がイガイガした。
2.お父さんがアレルギー体質で、後年に檀さんの兄とご自身も花粉症に罹った
3.金のピアスを着けていたにも関わらずに金属アレルギーになった。


 というものでした。

 その記事を拝読した私は、思わず講談社のお問い合わせフォームに以下のような投書を送りました。

「3月30日発行号にて、壇ふみ様の寄稿『半世紀のともだち』を拝読させて頂きました。そのなかで壇様がアレルギー症状に悩まされていたことを伺いまして、僭越ながらアレルギーの専門家として一言ご助言をさせて頂ければと思った次第です。

 まず、アレルギーとはそもそも、体内に侵入した異物を排除しようとする体の防衛反応です。
 しかし、その機能が過剰に働いてしまうと、体は異物を必死に排除しようとして、それが花粉症の際にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み、のどの痛みなどの症状が現れます。
 また、花粉症の症状と共に喉が痒くなると壇様はお話しされていましたが、それは神経の“混線”が原因で起きた可能性があります。

 顔には、三叉神経(さんさしんけい)という顔の感覚を司る神経があります。

 この三叉神経とは読んで字のごとく3本の神経(第1枝「目」、第2枝「上あご」、第3枝「下あご」)から成っています。その3本の神経は脳から一つの管の中にまとめられて伸びており、それが耳の近くで三つに枝分かれして目や鼻などの末端に繋がっています。

 そのために、例えば鼻が痒い時、体は痒いという感覚を電気信号に変換し、それが鼻内の三叉神経を伝って脳に届けられます。ですが、その途中の神経がまとまるポイントで“混線”を引き起こし、電気信号が鼻以外の他の領域の三叉神経に伝わることで、目やノドなどの鼻とは異なる部位に痒みのようなアレルギー症状が関連する痒みなどを起こすことがあります。

 イメージとしては、電線が分かりやすいかもしれませんが、むき出しの隣接する電線同士が接触することで本来とは違う電線に電気信号が伝わってしまうようなものです。

 ピアスも、金属成分がイオン化して溶け出し、体内のタンパク質と結合し体の防衛機能が働き、アレルギーを発症します。
 純金はたしかに安定した金属ではあり表皮の上からならイオン化しませんが、ピアシング後はピアスの穴つまり生傷(真皮)に直接金属(ピアス)が触れることにより金属アレルギーが生じるものと考えられます。

 今回、壇様を悩ませたアレルギーが、ピアスと花粉症のいずれが重要なのかは分かりませんが、こうした神経の反射及び金属アレルギーによってアレルギー症状が起きるということを、ご承知おき頂ければ幸いです。

 余談ですが、壇様のことは何十年か前にNHKのクイズ番組でお姿を拝見していましたが、NHKを観なくなって以来ご無沙汰しておりました。また、御父上の檀一雄様の著書『火宅の人』はまだ読んだことがありませんでしたので、これを機に読んでみたいと思います。」
 人体は時に、直接的な原因がないにも関わらず、アレルギー症状が誘発されたり、思いがけない機序でアレルギーが発症したりすることも稀にあります。
 壇さんの症状も、ご説明したようにこうした神経の反射によってアレルギー症状や金属アレルギーが発症した可能性も否定できません。

 もし、似た症状でお悩みの方がいれば、すぐに専門の医療機関にご相談されるのをお勧めいたします。人間だれしも、望んで苦行を受けたくはないと思いますので。

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