3443通信 No.376
”みちのく桜花会”による牛嶋築陸将を送る夕べ

図1
さる2025年12月4月(木)、私の所属するみちのく桜花会主催の会が仙台市内で開催されました。本会では、陸上自衛隊東北方面総監である牛嶋築陸将(図1)のご退官に併せての送別会となりました。
牛嶋陸将は九州の福岡出身で、2018年には東北方面隊幕僚長兼仙台駐屯地司令として勤務され、2024年に第42代東北方面総監としてご着任されました。
東大以上の難関校である防衛大学校をご卒業後、縁の下の力持ちである輸送隊に配属され後方支援の要を担われました。
その後、中東のゴラン高原や東ティモール、イラクといった紛争地帯への派遣部隊に加わり、2008年には早稲田大学院の修士課程を修了。文武両道を地でいくような自己鍛錬を欠かさない方でした。
会のご挨拶では、これまでの思い出が蘇ってこられたのか、涙ながらにその想いを語られ、参加者による万雷の拍手を受けながらのご勇退となりました(図2)。

図2 ご夫妻に贈られた花束
また、年が明けて新年度となる2026年4月22日(水)には、防衛協会主催の防衛講和(図3、4)が開催され、こちらには全陸上幕僚長である森下泰臣氏が講師として登壇され、『陸上自衛隊の取り組みと今後の方向性』と題した講演をされました。


図3、4
森下氏は、退官されたお立場から日本を取り巻く情勢の厳しさを語られました。
お話の中で印象的であったのは、昨今はドローンを始めとする無人兵器に注目が集まっていますが、原則として歩兵と中心とした陸上兵力こそが地域を掌握するのに必要不可欠であり、無人機には出来ない仕事であると話されました。
それは、数年来続くロシア・ウクライナ戦争が第一次世界大戦を彷彿とさせる塹壕戦によって強固な防衛線を強いている現状からも証明されています。
また、もし日本周辺の島嶼部にて有事が発生し、敵対勢力が島を占領してしまった場合、その地域の奪還はほぼ不可能であるとの厳しい意見も述べられました。大陸のような地続きの環境とは違い、周囲を海で囲まれた島では接近すること自体が極めてリスクが高く、なおかつ少人数による潜入を例え果たしたとしても、実効支配された島の奪還には至らないということでした。
そうした最悪の未来を見据えて、今後ますます陸上自衛隊の存在意義は高まっていくことになるため、国民のさらなる理解が求められるとのお話で締めくくられました。