3443通信 No.377
三好耳鼻咽喉科クリニック ラジオレポート
ラジオ3443通信「花粉症要因」

耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって45年。今回は2015年8月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]
花粉症要因
An.
三好先生、前回は日本で初めてスギ花粉症が発見されたお話を伺いました。
Dr.
「枯草熱」として国外では知られていた花粉症。実は第二次世界大戦以前は、日本ではまったく存在しなかったんです。江澤さん。花粉症もしくはアレルギー性鼻炎が発症するためには、何が必要でしょう?
An.
アレルギー性鼻炎は「抗原抗体反応」ですから、まず「抗原」である大量の花粉…、それと先生。当たり前のことですが、発作を起こす人間がいなくっちゃあ(笑)。
Dr.
正解です。花粉症であるアレルギー性鼻炎は、抗原物質の花粉が何回か人間の鼻の穴から体内に吸い込まれ、過剰防衛の対象と認識されて初めて「くしゃみ・鼻みず・鼻詰まり」が起こります。それと、遺伝と環境の組み合わせ。花粉症の原因となるスギ花粉が飛散していないところ、例えば南半球ではスギ花粉症は起きません(笑)。
An.
病気は全て「原因が存在するから結果が生じる」!
Dr.
その意味で、花粉症でも遺伝子が関係しているらしく。
An.
そういえば、花粉症の両親の子どもは、やっぱり花粉症になりやすい印象はあります。
Dr.
まぁ、花粉症の一家は花粉の飛散している同じ住居で、朝から晩まで一緒に過ごしますから(笑)。
An.
食生活も同じですものね。遺伝子側だけの理由で、親子が花粉症になるわけじゃ、なさそうです。
Dr.
花粉症などアレルギー性鼻炎の発症には、媒体の条件も絡みます。
An.
「媒体」?
Dr.
花粉を飛散させ、人間の鼻の穴まで届ける、空気の条件です。よく晴れて空気の乾燥した日中などは、花粉が飛散しやすく、花粉症の方はつらい思いをします。
An.
花粉症、つまりアレルギー性鼻炎は「抗原側」「抗体側」「媒体側」三つの要因で発症が左右される?
Dr.
さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。スギ花粉症が戦前には少なかった理由は、この番組の中で何回かご説明しましたね。
An.
1950年代に一斉にスギの植林が行われるまで、日本に全国規模のスギの植生は見られなかった。50年代に植樹されたスギが花粉を生産させるのが、樹齢30年の80年代になってからですね。
Dr.
日本における3大花粉症は「スギ花粉症」「カモガヤ花粉症」「ブタクサ花粉症」。スギだけでなくカモガヤもブタクサも戦前は、それほど目立たなかった。江澤さん、世界初の花粉症「カモガヤ花粉症」が登場した国はどこでしょう?
An.
英国の牧草地(図1)です、先生。

図1
Dr.
カモガヤは日本でもやっぱり牧草地に多く植生しています。もともと江戸時代の日本では肉食の習慣が見られず、乳製品の摂取もまれ。牧場は明治期に北海道や岩手県などから始まり、戦後になって全国各地に広がります。
An.
それじゃ、カモガヤも…。
Dr.
そうです。戦後になって初めて全国に生い茂るようになったんです。牧草地から垣根を越えて風に運ばれたカモガヤ花粉が空き地に根を下ろし…。
An.
日本全国で、カモガヤ花粉症が話題に上るようになったんですね。
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