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みみ、はな、のどの変なとき

4 自分たちでピアシングをすると?

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親や教師に禁⽌されているから、という訳でもないのでしょうけれど、今だに⼥⼦⾼校⽣などが⾃分たちでお互いの⽿たぶに安全ピンなどで⽳を開け、ピアシングしてしまうことも皆無ではないようです。
 噂話でしかありませんが、そんな⼥⼦⾼⽣のピアシングは以下のような⼿順で⾏なわれるのだそうです。

まずお互いの⽿たぶを、氷で感覚の無くなるまでガッチリ冷やします。
 それから安全ピンを持って、2⼈のうち1⼈(以下、⼥⼦⾼⽣A)が⾝構えます。

図04 図4

 

⼥⼦⾼⽣A「いーいっ?」
 ⼥⼦⾼⽣B「いーわよ!」
 A「⾏くわよッ。」
 B「来てぇ。」
 A「えーいっ!!(ブスリと⽿たぶに⽳)」
 B「キャーッ。」

こういった⾃分たちでのピアシングに、もっとも多く⽤いられるのは安全ピンのようですが、われわれのアンケート調査では、時には布団針やまち針さらには画鋲を⽤いたとの回答も、⾒られました。

このように、安全とは程遠い環境で⾏なわれることの多い⾃分たちでのピアシングですが、当然後に記すようなトラブルが絶えません。しかも、困ったことに親に内緒でピアシングした⼿前、トラブルが⽣じたとしても親の保険証を借りて医療機関を受診することは、むろんできません。
 トラブルは治療されないままに、放置されることとなります。

これらの、⾃分たちでピアシングしたためのピアス・トラブルでは、第⼀に感染の問題があります。
 細菌感染はもちろんですが、本当に恐いのは消毒が不⼗分なまま安全ピンを⼤勢で使⽤した場合などの、肝炎ウィルス蔓延の危険性です。もちろんエイズ・ウィルスなど、他にも恐ろしいものはたくさんあります。
 現実に⽇⾚における献⾎でも、⾃分たちでピアシングをした献⾎希望者には、ピアシング後1年間の⾎液提供を断っているそうです。ウィルス感染の可能性が、どうしても否定できないためです。

第⼆に、⾦属アレルギーになり易くなります。これはピアシング後の管理の問題でもあるのですが、通常ピアシング後その⽳に⽪膚が張る(上⽪化)までに、最低1ケ⽉はかかります。⾮衛⽣的な管理のために化膿して上⽪化が遅れ、1年以上かかってしまう⼈も中にはいます。この間ピアスの⽳はいわば⽣キズですので、感染に弱いだけでなく、ピアスの⾦属がイオン化し⾮常に⾦属アレルギーになり易い状態にあります。この間の管理が重要で、上⽪化までの時間が⻑いほどアレルギーを⽣じがちなのですが、わりと無関⼼な⼈が多いようです。

第三に市販のピアス製品には、⾦の純度の低いものが多く⾒られます。ご存じのように、⾦は⽪膚(上⽪)の上からはイオン化して吸収されることがまず無く、トラブルをあまり起こしません。けれども⾦の純度が低く他の⾦属成分が多いと、⾦属アレルギーになり易いのです。ですから可能でしたら、24⾦コーティングされたピアスを、上⽪化の後も装⽤して頂くべきだと思われます。

なお、本当にごく稀に24⾦に対する⾦属アレルギーのある⼈も、存在します。これは上⽪化するまでの、ピアスの傷の剥き出しである期間が感染などのために⻑引き、この間に⾦のイオン化が⽣じたものと考えられています。例え24⾦でも⽪膚の張っていない⽣キズと接触していると、イオン化することがあるのです。その結果⾦は体内に取り込まれ、蛋⽩質と結合してアレルギー反応の元となるアレルゲン化してしまいます。すると⾦に対してアレルギー反応が⽣じますから、⾦のネックレスや⼊⻭を使⽤したときに、アレルギー反応が発⽣します。もちろん⾦のピアスは、装⽤できません。

これを防ぐ⽬的でピアシング時のピアスには、⼈⼯関節などに使⽤され⼈体に対する安定性の確認されているチタンを使⽤する⽅法もあります。またセラミック製のピアスも発売されており、それらは⾦属アレルギーの⼼配がありません。
 こうした⼯夫で、⾦属アレルギーの恐れ無くピアシングを実施できますので、くれぐれも安全ピンなどを使⽤して隠れて⾃分たちでヒアシングしたりすることの無いよう、⼼懸けてください。

 

関連リンク
 ・医学コミック「ピアストラブル殺人事件!?」
 ・3443通信 No.315 エッセイ「ピアスの穴の白い糸」

 

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