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みみ、はな、のどの変なとき

15 大人の急性中耳炎

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⼤⼈でも冬に⾵邪をひいていたりすると、急性中⽿炎を起こして⽿の痛くなることがあります。⼤⼈では⼦どもほど頻度が多くなく、⼦どもほど痛まないのが普通です。
 けれども、中⽿炎を起こしかかっているときに⾶⾏機に乗ったりすると、⼤⼈でも相当痛みます。⾶⾏機に乗ると急激な気圧の変化を体験しますが、通常は前述の⽿管がうまく⿎膜内外の気圧を調節してくれます。ところが急性中⽿炎になりかけると⽿管が炎症性に腫れ、気圧の変動に応じた⿎膜内外の気圧調節をスムースに⾏なえなくなります。その結果、⼦どもの急性中⽿炎とそっくりの、⿎膜緊張状態を引き起こしてしまう訳です。このような場合には、⿎膜切開術を施⾏して気圧調節を助け、抗⽣物質・消炎鎮痛剤を処⽅すると、かなり楽になります。

⼀⽅、スキューバ・ダイビングでは深く潜るとき、⽿抜きと⾔って⽔圧に応じた気圧を、⽿管を通じ⿎膜の内側に送る動作をします。この際、⽿管の機能が落ちていたり、炎症で⽿管が腫れていたりすると、やはり⿎膜内外の気圧の調節がうまく⾏きません。結果的に、⿎膜が⽔圧により強く内側に圧迫されて、⿎膜緊張状態となります。これも、⼦どもの急性中⽿炎のときと同じような、⽿の痛みを引き起こします。⿎膜の緊張状態が痛みの原因ですから、やはり⿎膜切開術と抗⽣物質・消炎鎮痛剤の処⽅や、⽿管に対する処置で楽になります。

⾶⾏機における⽿の痛みを航空性中⽿炎と呼びますが、ダイビングの痛みには名前はまだ無いようです。病態は、いずれも同じく⽿の外側の急激な圧の変化に、⽿管を通じた⿎膜内側の気圧調節が応じ切れない状態なのですが。これに対するセルフ・コントロールの⽅法として、先に述べた⽿抜きなどがあります。これは⿐を摘んで思い切り息むことによって、⿐から⽿管の中へ強制的に空気を送り込む⽅法です。これ以外にも、⽿管を開放させて⿎膜内外の気圧調節に役⽴てる⼿法として、あくびをする、嚥下する(つばを飲み込む)などの⽅法があります。⾶⾏機に乗ると、スチュワーデスさんがキャンディーを配ってくれることがありますが、あれも実は嚥下を促し航空性中⽿炎を予防する⼀つの⼿段なのです。これはしかし、ダイビングには応⽤できそうにありませんね。

 

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