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みみ、はな、のどの変なとき

37 ぐるぐる回る(回転感の強い)めまい

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⾃分がぐるぐる回る感じがしたり、外の世界が回る感じがしたりします。時計の針と同じ⽅向に回ったり、それとは逆⽅向に回ったりします。
 ⽿の中(内⽿)には⾳を感じる部分(かたつむり管もしくは蝸⽜)と、めまいを感じる部分(三半規管などの⼊っている前庭)とが存在します。回転性のめまいは、前庭から脊髄を伝わって⼩脳へ⾄る経路のどこかに急性の異常があって発⽣します。

めまいに難聴や⽿鳴りを伴う場合には、⽿に病変の存在する可能性が⾼いものと推測できます。有名なメニエール病では内⽿全体がダメージを受けるため、繰り返すめまい・⽿鳴り・難聴が⽣じます。また同じく内⽿の病気である突発性難聴では、突然の難聴と⽿鳴りに⼀時的なめまいを伴うことがあります。この突発性難聴のめまいが繰り返すことは、ほとんどありません。

内⽿でも前庭と蝸⽜とは別々の存在ですから、前庭だけが侵されてめまいのみ発⽣することもあります。前庭神経にウィルス感染が⽣じて起こる前庭神経炎が、その代表です。体の位置を変えた瞬間に発⽣する、良性発作性頭位眩暈症(BPPV)と呼ばれるめまいもあり、やはり前庭に原因があると考えられていますが、これは⻑続きしないことが多く余り⼼配しなくとも⼤丈夫です。

⼩脳近辺の病気でも回転性のめまいを⽣じることがあって、⼩脳の動脈の⾎栓ではぐるぐる回るめまいが出現します。この場合、内⽿の症状である難聴や⽿鳴りは当然⾒られませんし、⼩脳特有の全⾝症状を伴います。このめまいを、ワッレンベルグ症候群と呼んでいます。
 めまいを感じる前庭を養っている動脈は、頚椎の中を通って内⽿へ分布しています。このため頚椎損傷のせいで、⾸を捻ったときに内⽿性のめまいを⽣じることもあります。

 

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