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みみ、はな、のどの変なとき

48 エピソード12「ロックコンサートでめまいを起こした女子大生」

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宮城県⺠会館(現在の東京エレクトロンホール宮城)で⾏なわれたロックコンサートで、⼤きな⾳で⾳楽を楽しんでいた22歳の⼥⼦⼤⽣が、突然難聴となりました。この⽅は卒業試験のために睡眠不⾜で、⾷事も充分に摂っていなかった、とのことでした。

この⽅の語るところによると、コンサートの開始後20分くらいしてから、聴いている⾳楽の歌詞がはっきりしなくなり、冷汗が出て気分の悪くなるのが⾃分でも判りました。県⺠会館の外へ出てみると、普通に歩いているはずなのに⾜元がしっかりせず、まるで雲の上を歩いているような感じがします。おまけに左⽿の聞こえが悪く、⽿鳴りもするのです。

この⽅はその⾜で私のもとを訪れ、さっそく治療を受けることになりました。これは後から判ったことですが、その⽇のコンサートでは他にも⽿鳴りや⽿の違和感を訴える聴衆が何⼈かいたそうです。

この⽅は両側の感⾳難聴のみならず、平衡機能検査でバランスをとる検査を受けたときに、体全体が左側へ倒れる傾向のあることも判りました。

その後この⽅は、安静にしてビタミン剤やステロイド剤の点滴を受け、幸いにも聴⼒と平衡機能が元に戻りました。
 内⽿には⼤きな⾳に対する防御機構が、本来備わっていると考えられています。けれどもその機構は、体調が万全の時にうまく作動するものと思われます。つまりこの⽅のように睡眠不⾜だったり空腹だったりする場合には、必ずしも本来の働きをする訳では無さそうです。

その際この⽅のように、⼤⾳響による蝸⽜への衝撃で難聴となるだけでなく、隣接する前庭まで打撃が及びめまいを⽣じることもあり得るのです。ロックコンサートなどのように、強⼤な⾳量に暴露されることが予め判っている場合には、体調をできるだけ整え決して無理をしないよう⼼掛けねばなりません。

 

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