3443通信3443 News

 

みみ、はな、のどの変なとき

68 くらしの中におけるアレルギー防止法

前話  目次  次話

 

さてそれでは具体的に、⽇常⽣活の中でアレルギーに対応して⾏くには、どうすれば良いのでしょうか。

 ダニについては、ダニの増加しない住宅構造を考え、ダニの⽣息しない⽣活習慣を⾝に付けることが第⼀です。
 ことに、これから⾃宅を建てようという⽅は、何千万円もかけてダニの住み易い、つまりアレルギーを簡単に引き起こしがちな家を建てたりすることの無いよう、正確な知識が必要です。
 詳細については、共同研究者の加藤⼤志朗の「建ててよかった 快適・健康住宅」(⽇本評論社)という本に、私たちの考え⽅を盛り込んであります。ですからここでは、既存の住宅に住んでおられる⽅の注意点について述べることとします。

ダニの害から健康を守るためには、基本的に屋内の湿度を下げてダニの⽣息できない環境を作ることが⼤切です。
 このために特に、⾼気密⾼断熱住宅においては、なるべく局部暖房・間⽋暖房を控えた⽅が賢明です。
 こうした住宅に住みながら、冬は空気が乾燥するからと、⽯油ストーブを炊いた上にやかんを載せて⽔蒸気を発散させている家庭がありますが、⽌めてください。その⽔蒸気は部屋の隅々で結露となり、畳やじゅうたんに染み込みます。そしてそこでは、ダニが繁殖します。

床はいわゆるフローリングがお勧めですが、その上に殺ダニ機能の付いた電気カーペットを使⽤するのも良いと思います。畳や敷き詰めじゅうたんの上に電気カーペットを敷くと、せっかくダニを殺しても畳などからまたダニが移動して元のもくあみです。

カーテンがダニの住みかとなり易いのは、窓に結露してその⽔分をカーテンが吸い込むからです。窓を⼆重窓にして、窓枠を熱伝導の良くない素材にしてやれば、窓の結露もカーテンの問題も無くなります。寝具は時々、お⽇様に⼲してください。これは乾燥が⽬的ですから、⽇の陰る午後3時以降は取り込んでください。その時刻以後は気温が下がって⼤気中の湿度が上昇し、却って寝具が湿ります。

寝具の外から0.3ミリ以下の細かい⽬でできたカバーで覆うと、ダニはそれを通過することができず、寝具はダニ汚染を免れます。⾮常に原始的な対策と、形容できるのかも知れませんけど。

結露のでき易い部分が家屋の中にある場合には、その原因を明らかにしておいた⽅が良いでしょう。
 壁添いに家具をたくさん置くと、暖気が家具の裏側に⼊りにくく、湿度がそこだけ上昇して結露となります。
 家具を密に配置しないのも⼀つの⽅法ですが、連続暖房で壁の温度を⼀定に上げておくと、結露は消失します。

ただし「ヒート・ブリッジ」と⾔って、壁の中に⽀えのための鉄⾻がむき出しに近い状態で挿⼊されていると、壁⾯のその部分のみ温度が低く、そこに結露します。

外断熱⼯法などと称して、家屋をすっぽり断熱材で覆ってしまう建築法もあり、そこではヒート・ブリッジの問題はありません。ただ、家屋内全体が暖まりますから家屋の中に冷たい場所が無く、⽣鮮⾷品の置場に困ることはあるようです。

換気の悪い密閉された室内で洗濯物を⼲すのは、絶対に⽌めてください。湿度が上昇します。
 ⽔まわりの換気にも⼗分注意して、湿度の⾼い空気が部屋の隅に停滞することの無いよう、気を配ってください。
 ただでさえ⽔まわりは湿度が⾼くなりがちで、湿度の⾼い場所なのですから。

ペット・ブームは難しい問題です。
 現代社会の殺伐たる⾵潮や核家族化などの中にあって、ペットを中⼼に家族が⼼を通い合わせるのは、それなりの効果があるからです。
 ただし、特定の動物にアレルギー反応を⽰す⼈の多いことも事実であり、室内でペットを飼う場合にはペットによる湿度の上昇や、上⽪・⽑の脱落によるダニの繁殖も考慮せねばなりません。
 屋内で飼うなら、特定のコーナーに限定し清潔を保つということが、必要最低限の条件でしょう。

徹底して掃除をするのは、ダニやHD除去に有効です。この場合、掃除機のフィルターの⽬が0.3ミリよりも細かくないと、床のダニを空中に巻き上げるだけでおしまいです。
 掃除機のホースを⻑くして屋外に出すよう⼯夫している掃除機もありますし、セントラル型の吸引システムを家屋の建築時に構築してしまい、掃除機の排気を徹底させるのもダニ・HD対策として良い⽅法です。

花粉症では、⾃分が何の花粉にアレルギーがあるのか、その花粉の発⽣源はどこかを良く知り、それを避けることが原則です。攻撃(予防)に勝る防御法は、あり得ないのです。

 

関連リンク
 ・花粉症の方へ

 

前話  目次  次話

[目次に戻る]