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みみ、はな、のどの変なとき

76 副鼻腔炎の治療

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昔のようなかなりひどい副⿐腔炎に対しては、現在でも副⿐腔根本⼿術と呼ばれる⼤がかりな⼿術が、考慮されます。ただ、その適応となる症例数が昔ほど多くないのは事実です。たいていは、局所処置と消炎酵素剤や抗⽣物質の内服で、経過を追うことになります。ただ、⿐茸があったり粘膜腫脹が強くて⿐づまりが極度に強いときには、⿐茸の切除や⿐粘膜の腫れを除去する⿐内⼿術が、良く⾏なわれます。

副⿐腔炎治療の理念は、固有⿐腔の腫れを無くし副⿐腔に貯留した膿が⾃然に流出できるよう、計らうことが基本です。川の流れだって澱みを無くし流れを良くしてやれば、濁りは消えます。慢性の副⿐腔炎でダメージを受けた副⿐腔の粘膜細胞は、膿の排出に伴いその形態と機能を回復することが知られています。ですから、⼿術で⿐粘膜の腫れを除去するのも、内服で膿を溶かし排泄し易くしてやるのも、この理念に適ったものなのです。 なお、副⿐腔炎の内服治療開始直後、⼀時的に⿐汁の量が増え、傍⽬には却って悪化したように⾒えることもあります。

けれどもこの現象は、副⿐腔に貯留した膿が薬剤の効果で排泄されて出て来る、そのためと理解できます。余り気を揉まずに、治療を継続してください。

アレルギー性副⿐腔炎では、前述したアレルギーの治療により固有⿐腔の粘膜腫脹を除去してやることが、治療の基本です。
 それほどひどくない副⿐腔炎でも、内服だけでなく⽿⿐科医で⿐処置を受けることは有⽤です。⽿⿐咽喉科で⿐処置をうけると固有⿐腔内の膿汁が除去されますので、副⿐腔からの膿汁の排泄がより容易となりますので。 また⿐汁が⿐の⼊り⼝からではなく、後⿐漏の形でつまりのどにさがることがあります。これは、⿐粘膜の前半部分に炎症が存在すると⿐汁は前の排出され、後半部分に炎症があると⿐腔の後からのどへ⿐汁が排泄されるという、それだけのことなのですが、⾃分で⿐をかんでも⿐汁は取り切れません。⽿⿐科医で⿐処置を受け、この後⿐漏を除去してもらえば気分的にもずいぶん楽になります。
 ⽿⿐咽喉科での治療を、お勧めする所以です。

 

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