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2022年5月(No.326)

スギ花粉症を追ってシリーズ④
種子島・屋久島ツアー4

院長 三好 彰


はじめに

新年の明けた2022年1月19日(水)から21日(金)にかけて、鹿児島県の種子島・屋久島を巡るツアーに参加してきました。
 屋久島には、私が長年研究しているスギ花粉症のルーツを辿るためのキーである屋久杉が植生しています。詳しくは本紙313号「チベットにおけるスギ・ヒノキ植生と感作」をご覧下さい。

さて、前回に引き続いて種子島についてご紹介します。

宇宙開発の重要地・種子島宇宙センター

ここ種子島には、日本で最大のロケット発射場が整備されています(図1)。

図01
 図1 種子島の地図

 

宇宙航空研究開発機構<JAXA(ジャクサ)>は、東京に本部を置く日本最大級の国立研究開発法人です。その所管は内閣府・総務省・文部科学省・経済産業省が共同で行ない、2003年10月に3つの航空宇宙機関が統合されて発足しました。
 ジャクサでは主に、国産ロケットのH-ⅡA型の研究開発や、ISS(国際宇宙ステーション)に接続されている日本実験モジュール<きぼう>、惑星探査機や天体観測衛星の研究開発、更に身近な航空機に関する研究開発などが行なわれています。
 それらの開発された機器類の殆どが種子島のロケット発射場から打ち上げられ、宇宙空間において実際に運用されています。

ロケット発射場は種子島の東南端にあり、北・東・南の三方向をネイビーブルーの海に囲まれ“世界一美しいロケット発射場”と呼ばれているそうです。発射場の周辺に整備された展望台からは、ネイビーブルーの海と緑豊かな森、その中にひょっこり見える白いロケット発射施設が一望できます(図1)。打ち上げの際は、この場所から轟音と共に発射されるロケットの雄姿を見ることが出来ますが、残念ながら今回の旅行中に打ち上げされることはありませんでした。

宇宙を知ろう! 宇宙科学技術館

ロケット発射場の南西約3キロには一般見学ができる施設『宇宙科学技術館』(図2、3)があります。ここではロケットや人工衛星、国際移駐ステーション(ISS)計画や天体・惑星観測などのさまざまな宇宙開発についての展示がされており、中には過去に宇宙へ飛び立った日本人宇宙飛行士の手形や、ISSに接続されている日本の実験モジュールの実物大模型などもありました(図4~7)。

図02
 図2 展望台から見る大型ロケット発射場

図03
 図3 展望台のすぐ近くにある宇宙科学技術館

図04
 図4 刈り込みで表現された”JAXA”の文字

図05
 図5 打ち上げされた歴代ロケットの模型

図06
 図6 日本人宇宙飛行士の手形

図07
図7 ISSの日本実験棟<きぼう>の模型​​​​​​

図08
 図8 実験棟<きぼう>の実寸ジオラマ​​​​​​

 

宇宙開発など遠い未来の話のように思えましたが、現在では世界各国のみならず民間企業でも宇宙旅行が実施されるなど、その夢のような話が徐々に現実のものとして実現してきています。

日本の旅行会社でも、海外の宇宙旅行サービス企業と提携した宇宙旅行の企画を掲載しているところもあります。アメリカのヴァージン・ギャラクティック社では飛行機型の宇宙船『スペースシップ2』というロケットタイプではない宇宙船を開発し、2021年7月に初めて乗客を乗せた飛行を行いました(https://www.youtube.com/watch?v=b1GXtX5kS-U|ユーチューブより)。

また、アメリカの有名SF映画『スタートレック』のカーク船長役で知られる俳優ウィリアム・シャトナー氏(90)が、ブルー・オリジン社の宇宙船に搭乗し、映画ではなく本物の宇宙空間への旅を実現したこともニュースになりました。
 月や火星への有人探査計画も進められており、その内、連休中の旅行先が『宇宙』となる日も、そう遠くはないのかも知れません。

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