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3443通信 No.364

 

ラジオ3443通信「雲南省のマツタケ」


 ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
 ここでは2012年10月16日OAされた、学校健診にまつわる話題をご紹介いたします。

90 雲南省のマツタケ
An.
 三好先生、前回は学校健診を中心とした先生の疫学調査のお話の、この9月に行なわれた雲南省での旅の話題でした。
 先生は、そこでとってもおいしいお茶に出会ったんですよね。
Dr.
 お米を始めとする食事も、とってもおいしかったですよ。味は雲南の地域によって、多少異なりますけれど、私は大好きです。
An.
 お米やお蕎麦の原産地、と言われているんでしたよね、雲南省は。それじゃあ、きっと食事は楽しみですね(笑)。
Dr.
 おまけに昆明市は、標高1,900メートルくらいの高さなんですけど、1年中気温が20℃前後で過ごしやすく、別名を『春城』つまり春の住みかと称されるほどの、住心地満点の都市です。
An.
 先生はその昆明市を経て、香格里拉市へ行っておられますけれど。江澤の記憶では『シャングリラ』って言葉は、たしか『ユートピア』つまり『理想郷』という意味を込めた名前だったような気がします。
Dr.
 映画にもなった、ジェームズ・ヒルトンの小説『失われた地平線』という本の舞台だとされていまして、2002年に香格里拉市に地名が変わったんです。
An.
 それじゃあ、きっととってもキレイなところなんでしょうね。
Dr.
 周辺をヒマラヤの、神々の住む清らかな高い峰に囲まれた街と、豊かな自然そしてチベット族の人々の、信仰深い日常生活の中にある土地なんです。
An.
 先生、江澤には何よりもお食事が気になるんですけれど・・・・・・(笑)。
Dr.
 江澤さんには聞かせたくないんですけれども、ね。香格里拉はキノコが豊富で、マツタケが何トンも採取されるんです。
An.
 (目を輝かせて)マツタケですって。まぁステキ! 土瓶蒸しかなんかにして、あの香りを楽しむんでしょうか?
Dr.
 現地のレストランでは、さすがに和食そのものの土瓶蒸しはありませんでした。キノコ鍋の中に豊富にマツタケが入っていましたし、マツタケ焼きもオーダーして豪快に味わいました。
An.
 そんなにたくさん、マツタケが採れるんでしょうか?
Dr.
 香格里拉市では年に2000トンのマツタケを、日本に輸出しています。地元の業者の方とお話しする機会があったんですけど、その日も2トンの仕入があると、自慢していました。だって、その業者の車で観光地を移動したときには、車の後部に大きなマツタケの固まりが積んであって、車内がマツタケの香りで気が遠くなるほどでした。
An.
 香格里拉のマツタケは、日本人の食卓へ届けられるんですね? 現地の人よりも日本人の口に入る量の方が、はるかに多いんでしょうか?
Dr.
 現地の航空会社の機内誌に、マツタケの記事が掲載されていまして、ね。
 そこにはこう、書いてあるんです。
「日本人はマツタケをとっても愛好していて、ほとんど”崇拝”に近い感情を持つといっても過言ではない。毎年7月から9月、デパートの食品売場は、マツタケを一番目立つ売場に配置している。もっともその値段も、ここでは考えられないほど高価ではある。」(図1)って、ね。

図04 P.5 L1000937【構成用】


An.
 良く見てますネェ。
Dr.
 で、その記事のタイトルが、「中国人もマツタケを食べよう!」ですって。
An.
 日本の気仙沼で採れるフカヒレが、ほとんど中国への輸出に使われているってお話を聞いたことがありますけど(笑)。まるで、逆ですね。
Dr.
 そんな、すばらしい香格里拉市なんです。私もぜひ江澤さんをご案内して、現地でfmいずみのこのトークを楽しみたいとも思うんです。ただ、たった一つ、実行に移すには障害がありまして。
An.
 三好先生、江澤の辞書には不可能という文字は無いんです。
Dr.
 私も江澤さんに不可能は無いと、固く信じていますけど。問題は、現地は酸素が薄いという現実なんです。
An.
 そう言えば三好先生、江澤の辞書にはたった一字「酸素」という文字が、存在しないんですよ(笑)。
Dr.
 このfmいずみのスタジオでは、気圧が1013ミリヘクトパスカルなんですけど、香格里拉の山へ登ると、標高4,500メートルの地点で気圧は約680ミリヘクトパスカル、つまりここの半分の酸素しか江澤さんの肺には、吸い込むことができないんです。
 私たちのグループは、高山病の研究を行なうためにあえてそこまで行きますが、番組の収録には向かない場所ですよ。
An.
 先生、江澤はマツタケだけで十分です。
Dr.
 4,500メートルまで登るときには、簡易酸素ボンベを持参しますし、香格里拉の市外自体は標高3,300メートルくらいですから、そんなに苦しくはありません。
 もっとも走ったりするのはムリですし、1階から2階へ登るのも、階段ではかなりキツい思いをします。
 でも、私たち自身もすごく不思議なんですけれど。
An.
 何でしょう?
Dr.
 チベットには、私たちは10回近く訪問していて、その中心地であるラサ市は標高3,640メートルなんです。そこのゴンカル空港に降り立つと、本当に酸素欠乏が実感できるくらい、苦しいものなんです。
 ところが、わずか300メートルくらいの違いなんですけれど、香格里拉市の標高3,300メートルでは、息苦しさはさほどではありません。
An.
 そんなに違うものなんですね。
Dr.
 標高4,500メートルの山のてっぺんではムリかもしれませんが、3,300メートルの香格里拉市内だったら、fmいずみの収録は大丈夫だろうと思いました。
An.
 まぁステキ! それじゃ三好先生、今度はfmいずみで世界の山々からの『ラジオ3443通信』をOAしましょう(笑)。7つの海の制覇の後には、ぜひ!
Dr.
 手始めに、泉ヶ岳から、ですね(笑)。


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