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3443通信 No.366

 

癒しの楽園・南インドツアーレポ2

院長 三好 彰


 前号から引き続き、南インドを周遊するツアーレポをご紹介します。
 また、昨年の北インドのレポートは3443通信 No.352をご覧下さい。

【3日目】5月19日(月)
 朝、今日はチェンナイから国内線に搭乗して、内陸にある古都マドゥライへ向かいます(図1)。

図01 地図
 図1 行程地図


 この時、チェンナイの空港で面白いエピソードがありました。
 私の搭乗する旅客機の座席が非常口に面していたため、受付カウンターの係員から「非常口になるけど大丈夫?」と問われました(図2、3)。

 私はすかさず――、

「No problem.I can fly!!」と答えました。

 周りにいた空港職員が爆笑したのは言うまでもありません。

図02
 図2 非常口に面した座席

図03
 図3 そのフライトチケットです


 さて、そんなスタートをきったこの日の行程ですが、約1時間弱のフライトで無事にマドゥライに到着です(図4、5)。
 ホテルでチェックイン(図6、7)を済ませ、昼食をとることに。
 街中のレストランでは、マサラドーサと呼ばれる代表的な南インド料理を頂きました。大きなバナナの葉をお皿にして提供されます(図8、9)。

図04
 図4 インドの大地

図05
 図5 機内食

図06
 図6 ホテルにチェックイン

図07
 図7 チップ用の募金箱

図08
 図8 バナナの葉を皿にみたてたマサラドーサ

図09
 図9 食べる前に記念撮影


最古の都市マドゥライ
 インドにはお寺を中心に発展した町が少なくありません。マドゥライもそうした町の一つです。その歴史はインド2000年の歴史の中でも特に古く、州都であるチェンナイよりもはるかに以前から存在している最古の都市のひとつとされています。人口は約102万人。タミル・ナードゥ州では第3の都市に数えられます。

 その中心に建つ町のシンボルであるミナークシー・アンマン寺院は、16世紀にこの地方の領主ナーヤカによって建立されました。
 巨大な4つの塔門は町の至る所から見ることができ、その周囲に広がっている旧市街には様々なお店が軒を連ねるバザールを形成しています。
 残念ながらミナークシー寺院はセキュリティが厳しく、内部の写真撮影などは一切許可されませんでした。

ティルマライ・ナーヤカ宮殿
 次いで立ち寄ったのがティルマライ・ナーヤカ宮殿(図10、11)です。前述のミナークシー寺院と同様に領主ナーヤカがこの地に遷都した際に建造された建物で、インド建築とイスラム王朝であるムガール建築を混ぜたインド・サラセン様式とよばれる技術が用いられています。
 この時代、インド全土はイスラムの王朝であるムガール帝国の影響下にあり、北インドのアグラでは前回の旅で訪れたタージ・マハルが建設されるなどインド・イスラム文化が花開いた時期であったと言われています。

 それは目の前の宮殿を見れば一目瞭然です。

 ほかのヒンドゥー寺院と比べて白を基調とした外観は美しく、タージ・マハルと似た雰囲気を感じさせてくれました(図12、13)。
 構造を支える太い列柱はそれぞれ一つの岩から切り出されているとのこと(図14、15)。白くシンプルな柱の上部には細かい装飾が施されており、一部にはイタリアのゴシック建築を参考にしたと言われています(図16~18)。

図10
 図10 荘厳さを感じさせる宮殿

図11
 図11 外観

図12
 図12 ドーム構造が見られます

図13
 図13 美しい彩色が施されています

図14
 図14 列柱の回廊

図15
 図15 この柱はひとつの岩から削り出されたそうです

図16
 図16 こまかな装飾が目を引きます

図17
 図17 もともとの宮殿の規模は現在の4倍ほどもあったとか

図18
 図18 王座のレプリカ


【4日目】5月20日(火)
 マドゥライで一夜を過ごしたツアー一行は再び専用バスで南下し、インド最南端にあるコモリン岬を目指します(図19)。
 街中と比べてしっかりと整備された高規格道路(図20)での移動は、交通量の多いインドでは珍しくスムースな移動が出来ました。

図19
 図19 まっすぐ伸びた道路

図20
 図20 スムースに走る専用バス


 つい最近、中国を抜いて世界第一位の人口保有国となったインドでは、高まるエネルギー需要を満たすために様々な取り組みがなされており、土地の至る所に風力発電(図21)が建設されているのが見受けられました。
 また途中で立ち寄ったお店でインドの伝統的なスパイスつぶしである石製のグラインダー(図22、23)を見たり、平地にポツネンと突き出た特徴的な小山(図24|寺院のある丘らしいです)を横目に見ながら広大な田園地帯を駆け抜けます。

図21
 図21 高圧電線と風力発電が散見されます

図22
 図22 立ち寄ったお店

図23
 図23 お土産用の石製グラインダー

図24 ティルネリベリ 「ヴァリユル・スートゥ・ポタイ寺院のある丘?」
 図24 ティルネリベリにある特徴的な丘


 マドゥライから約250キロメートル、約5時間のバスの旅を経てインド洋・アラビア海・ベンガル湾の3つの海が合流するインド大陸最南端のコモリン岬(図25)に到着しました。
 荒々しい波が打ち寄せる海岸には、夕日に染まる光景を一目見ようと多くの観光客が集っており、一部は白馬に乗って写真撮影に勤しむ女性の姿もありました(図26)。
 ゆっくりとした時間の流れを感じながら、ホテルに戻って疲れを癒します(図27)。

図25
 図25 暮れなずむコモリン岬

図26
 図26 白馬の乗馬サービス

図27
 図27 ホテルで旅の疲れを癒します


つづく

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 前話「癒しの楽園・南インドツアーレポ 1」(3443通信 No.365)
魅惑のインド6日間の旅に参加しました 1」(No.352)
魅惑のインド6日間の旅に参加しました 2」(No.353)
魅惑のインド6日間の旅に参加しました 3」(No.354)

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