3443通信 No.367
嬉しい再訪!“南三陸町フェア”堪能食レポ
秘書課 菅野 瞳

図1
去る2024年12月中旬、サンタクロースがいそいそと出発の準備を始める頃、青葉区勾当台公園内にあるレストラン『ルート227カフェ』で開かれている南三陸町の地場産食材のアピール企画『南三陸フェア』(図1)へ行って来ました。
本年の年初めにも訪れた同じフェアではありますが(3443通信 No.351にレポ掲載)、はて、今回はどのような試行錯誤メニューをいただけるのか、美味しい嬉しい取材に食いしん坊の私は胸が躍ります。
香りに誘われながらカフェに到着!!
地下鉄勾当台公園駅に到着し、お店から漂うイタリアンの香りに引き寄せられ、早速入店です。同フェアの告知は河北新報にも掲載があったため、新作メニューの予習ならびに私の空腹度合いの調整も完璧です。
今回もまた、見事なまでの力作が4品がラインナップされています。
メニュー1『南三陸産ホタテとほうれん草のクリームコロッケ』
ラテアートが施されたかけつけ一杯のビールと同時に、まず私のお腹の虫を黙らせてくれたのは『南三陸産ホタテとほうれん草のクリームコロッケ』(図2)です。

図2
クリームコロッケには特に目がない私は、しっかりと4品が出揃うまで我慢が出来る筈もなく(笑)、何事も「熱々のうちに頂くのが一番!」という言い訳をしながら、早速口に運び入れます。
自称クリームコロッケ大好き選手権・宮城県代表の私のお眼鏡に、果たして本品は叶いますでしょうか(笑)。
ここは、遠慮なしの食レポをさせて頂きましょう。眺めているだけでも、そのサクサク具合いが伝わってくるコロッケに躊躇することなくナイフを一刺し。
――サクッ!
なんとトレビア~ンな響きでしょう。この音を記事に出来ないことが非常に残念でなりませんが、予想を裏切らないサクサク感、そしてコロッケの断面(図3)はご覧の通りの薄衣にたっぷりの具材が詰まっています。私の盛大な一口は、コロッケの半分相当にもなり、それを一気に口に頬張ります。

図3
まず感じるのは、優しいほうれん草の甘み、そしてぷりぷりのホタテの存在感です。「美味しい!」だなんて、そんなありふれた一言では言い表せない程の旨味と満足感。私がほうれん草を調理するとなれば、ボイルでおひたしにするか、ベーコンと共に炒めておつまみ……その程度が関の山です。
ほうれん草の甘みを、最大限に引き出している一品に、まだまだお腹いっぱいにはなりませんが、クリスマスを彷彿させるほうれん草のカラーもまた美しく、素晴らしい一皿でした。
まだ一皿目を頂いたばかりですが、この時点で「おかわりが欲しい!」と心の中で呟いたのは秘密です。
メニュー2『南三陸産タコのカルパッチョ』
続いての登場は『南三陸産タコのカルパッチョ』(図4)です。
カルパッチョとは、魚介類などを薄切りにしたものにオリーブオイルをたらし、調味料で味を調えたメニューになりますが、特にコース料理を頂いた時にはいい塩梅で箸休めとなり、私は大好きなメニューのひとつです。

図4
皆さんは、南三陸町志津川湾で獲れるタコが、知る人ぞ知る名産品であることをご存知でしょうか? タコという生物はエサによって味が変わる唯一の生き物で、南三陸のタコは、ウニやホタテ、ツブ貝やアワビなどの一級品を貪るとんでもないグルメな奴なのだそうです(笑)。
これを聞き、一瞬だけ“タコ”になりたいと思ったのは、私だけではないでしょう(笑)。
これは余談になりますが、南三陸のタコはタコの横綱選手権にて『西の明石』に対して『東の志津川』と呼ばれており、冬はマダコ・夏はミズダコと年中通して美味しいタコが楽しめるのだそうです。
実際のメニューを頂く寸前にハードルをぐんと上げてしまった感は否めませんが、さて、東の横綱さんのお味はいかに……。
サーブされたお皿には、花びらを象ったカブが敷き詰められ、ぷりぷり具合が見て分かる、南三陸産のタコが鎮座しています。
「お~っ、何と美しい!」
箸をつける前の東の横綱の美しい姿に、見惚れてしまいました。
まずは、薄くスライスされたタコを一口。噛む度に弾力を感じ、レモンの爽やかな酸味がタコの旨味を引き立てています。
お次は、添えられたカブと共に一口……
「おっ、これは面白い!」
タコのカルパッチョと言えば、大葉や玉ねぎが添えられるのが常かな?と思っていました。カブが添えられるカルパッチョは、恐らく初実食になりますが、主張が強めのお野菜と頂くことに慣れてしまっている私には、ちょっと優しすぎるかなと感じました。
メニュー3『カキとケールのバターしょうゆパスタ』
カルパッチョには、やはり白ワインが欲しくなるなと思っていた矢先、私のお腹のボルテージがなかなか上がらないのを察してか、颯爽と三品目のパスタ『カキとケールのバターしょうゆパスタ』(図5)がサーブされました。前回来店時に頂いたパスタ同様、こちらのパスタもまた生パスタでの提供とのことで、生パスタが持つ独特のモチモチ感を味わうのは時間との闘いになります。

図5
早速温かい内にモチモチを体感すべく、実食です。これはこれは……旨味が凝縮しているであろう牡蠣に、西洋では直接食べるよりも“だし”として料理に登場することが多いベーコンが角切りでゴロッと合わさっており、ケールが持つ色鮮やかさを引き立てています。
何という絶妙なバター醤油のお味でしょう。このパスタは、モチモチの食感といい、バターと醤油の一体感といい、一口また一口と頂く度に幸せ感が訪れます。
時間との闘いである生パスタですが、心配ご無用。私にかかればそのモチモチ感が損なわることなど無論ある筈もなく、モチモチから始まり、最後の一口までモッチモチで、牡蠣とケールを包み込んだバター醤油のパスタはあっという間に姿を消しました。
メニュー4『南三陸サーモンと椎彩社の椎茸の包み焼き』
いよいよ本日のラストメニュー『南三陸サーモンと椎彩杜の椎茸の包み焼き』(図6)がサーブされました。
こちらのメニューは、旨味が濃厚で長期にわたる熟成によって作られ、微妙な香りが特徴の赤味噌の代表格である仙台味噌をベースに仕上げられたメニューだそうです。

図6
ラーメンを食べに行く時には、ほぼ100パーセント味噌味を選択する私にとっては魅力溢れる一品です。
旨味を逃さぬよう包んでいますと言わんばかりに綺麗にラッピングされ登場した一品。ラップの紐を解くやお味噌の香りが解き放たれ、私の顔いっぱいに広がります。ラップを広げてみると、まず目に入ってきたのは分厚くカットされたサーモンです(図7)。こちらのメニューに使われているサーモンはギンザケ養殖発祥の地で育ったブランドギンザケ『南三陸サーモン』だそうです。

図7
南三陸のブランド椎茸栽培会社『椎彩杜(しいさいど)』
実は私がこちらのメニューを見た際に気になっていたことがありました。椎彩杜……これは「しいさいど」と読みます。使われている椎茸の品種なのかなと思っていましたが、正解は南三陸にある椎茸を栽培されている会社さんなのですよ、と教えて頂きました。
椎彩杜社は志津川湾にほど近い山腹で菌床椎茸を育てており、このエリアは海から吹く風で湿気が多く、きのこの栽培に絶好の環境なのだそうです。
「なるほどなるほど、それはそうでしょうとも」
妙にこの上ないほどの納得をしながら、いざ実食です。
綺麗なピンク色をした分厚いサーモンは、もふもふで食べ応えが十分。そして、このサーモンに負けず劣らず主役になるのでは?と思わせる肉厚の椎茸。噛み応えそして旨味甘味が絶妙です。
時間が経つのも忘れ、しっかりと一つ一つのメニューを堪能しましたが、実際の私はどのメニューも瞬殺で食べ終えてしまったような、もう1サイクルはいけそうな、そんな感覚が残りました。
美味しいは、罪ですね(笑)。
今回もまた、南三陸町が誇る四方八方の食材を堪能させて頂きましたが、大大大満足の取材となりました。
ご馳走様でした(図8)。

図8