3443通信 No.381
ラジオ3443通信「日本とロシアの住宅事情」
ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
ここでは2013年3月12日OA(オンエアー)された、学校健診にまつわる話題をご紹介いたします。
107話 日本とロシアの住宅事情
An.
三好先生、前回は雲南省の調査旅行のお話から、高床式住宅・正倉院とお話が進み、日本の住宅の在来工法と呼ばれる開放型住宅の特徴と、ロシアなど北方の寒い大地に適したログ・キャビン型住宅について、教えて頂きました。本日のお話はどんな話題になるんでしょうか? 楽しみです。
Dr.
江澤さん、私が子どもの頃住んでいた家も典型的な在来工法、つまり開放型住宅だったんです。
毎年年末になると、大掃除をするんですけれど。障子の張り替えをしたりして、ですね。そうそう、江澤さんは、障子の張り替えって、憶えていますか?張り替える前に、子どもたちが古い障子の紙に思いっきり穴を開けて遊んだりして。
An.
障子の張り替え。ありましたねぇ。
どうせ新しい障子に張り替えるんですから、子どもたちが好きなように穴を開けたりして・・・・・・。
Dr.
普段は障子に穴を開けたりすると、ひどく怒られるんですけど。その日だけは、勝手に穴を開けても良いんですからね。
日頃の反動みたいな気分で、たくさん穴を開けました。
An.
で、障子を新しいのに張り替えて、と。
Dr.
大掃除ですから、畳も替えるんですけど、ね、江澤さん。畳を上げると、その下に何がありましたっけ?
An.
えぇっと、たしか古新聞が敷いてあって。そうそう、ついついその古新聞に読みふけってしまって、掃除の手が止まっちゃうんですよ。
Dr.
私もですね。古新聞の『サザエさん』なんかに目を取られまして、ですね。
江澤さん。話を戻しましょう(笑)。
An.
先生も、サザエさんがお好きだったんですね(笑)。
Dr.
畳を上げますと、ですね。古新聞が敷いてあって、それをめくると木の床がありました。その木の床は、密着していなくって隙間があるものですから。年末の寒い時期の冷たい空気が、『あら床』と呼ばれるその木製の床の下から、ひゅうひゅう吹き込んでいたことを思い出します。
An.
ってことは。床下は、空気がすうすう通っていたんでしょうよね?
Dr.
あら床の隙間からは、地面が見えていましたものねぇ。
で、その床下の空間は家全体の支えとなっている太い柱の間で、広いスペースがあって。ときどきネコが入り込んで、鳴き声が聞こえたりして。
An.
お話を伺いますと、そういった日本式の開放型住宅は、いかにも家の中全体を風が吹き抜けやすいようにできていたことが分かります。
Dr.
つまり、雲南省なんかの高床式住宅に共通する、夏を過ごしやすい家の典型なんです。
ただ、そういう家は冬でも外気が吹き抜けて、お茶の間にいてもすごく寒かった記憶があります。
An.
ストーブを焚いても、部屋が暖まらないんですね?
Dr.
ですから、私の家のお茶の間には掘りごたつがありまして。ストーブでは寒いので、家族全員がその掘りごたつに集まるんです。
An.
光景が、目に浮かびます(笑)。
Dr.
春になってそのこたつを片付けると、こたつの形添いにみかんやお菓子が並んでいて……(笑)。
An.
人間がそこに住み着いていたことが、分かっちゃう?
Dr.
つまり古代の遺跡みたいなもので(笑)。
An.
それが高床式住宅に通じる、日本の南方型の開放型住宅なんですね?
Dr.
で、その建て方が、そのまま伝統的に受け継がれているのがね、在来工法と呼ばれる家屋なんです。
An.
北方型のロシア式建築は、それとはかなり異なるんでしょうね?
Dr.
ログ・キャビンとご説明しましたけれど。ロシア等の北方型住宅は、冷たい大地の上にそびえ立っている大木を切り倒して、横に木組みをして。先ず壁を作るんです(図1)。

An.
在来工法はたしか、柱を立て床を作り、屋根を乗せてから、ハンギング・ウォールと呼ばれる壁を作るんでした。
Dr.
ですから在来工法の家は、別名『柱で建てる家』と表現されるんです。
An.
その言い方ですとロシア式の家は・・・・・・。
Dr.
そう!『壁で建てる家』と表現できます。それを現在では、いかにもしゃれた呼び方で『ツー・バイ・フォーの家』と言ってるんです。
An.
それ、聞いたことがあります(笑)。
Dr.
この北方型住宅は密閉式ですので、昔の私の家のように、真冬に家中を冷たい外気が吹き抜ける、なんて悲惨なことはありません(笑)。
An.
それなら、暖房も効きそうですね。
Dr.
ただし住まいには、その方式によって住むためのルールが異なってきます。
南方型住宅つまり高床式住宅にはそれ向きの住み方があり、北方式つまりロシア型と言いましょうか『ツー・バイ・フォー』の家にも、住むための知恵があります。
An.
そこに住む人間が、健康に生活を楽しむためのルールなんでしょうね。
Dr.
これは後ほどくわしくご説明しますが、現代病とも言えるアレルギー疾患が増加した背景に、この住宅と生活習慣の齟齬(そご)が存在するんです。
An.
先生、そんなことがあったんですね! 江澤はちっとも知りませんでした。
人間が健康に生活を楽しむための、住宅に適応した住まいのルール、ぜひとも江澤に教えてください。
Dr.
本日は時間がきてしまいました。
まだまだ続くお話の中で、江澤さんにはご説明しましょう。お楽しみに!
Dr.・An.
ありがとうございました。
(107話)
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