3443通信 No.367
癒しの楽園・南インドツアーレポ3
院長 三好 彰
引き続きまして南インドを周遊するツアーレポをご紹介します。
また、昨年の北インドのレポートは3443通信 No.352をご覧下さい。
【5日目】5月21日(水)
翌朝、いまだ日が昇る前に起床した私たちは、眠い目をこすりながら昨日訪れたコモリン岬に向かいます(図1)。
予想以上の人波に揉まれながら迎えたのは、ベンガル湾からのぼるご来光です(図2~4)。

図1 まだ暗いのに多くの観光客が……

図2 ゾロゾロと同じ方向へ歩く人たち

図3 徐々に夜が明けていきます

図4 ご来光です
ここカーニャクマリ(コモリン岬)は、インド亜大陸の最南端に位置する場所で、太陽が海(ベンガル湾)からのぼり、海(アラビア海)に沈んでいく光景が見れるインド唯一の景勝地でもあります。
地名の由来は女神カンニヤークマリからとられており、ギリシアやローマの史書には「聖なるコモリ」とも記されるほどに歴史が古く、敬虔な巡礼者はここを聖地に定めて太陽を拝みながら朝・夕に沐浴するそうです。
そんなありがたい場所で、徐々に黄金色に染まる空を眺めながら、穢れが浄化された気分に浸ったツアー一行は、一路、大陸西側に面する水路の町アレッピを目指します(図5)。

図5 三海に囲まれたインド
その道中、ガイドさんが街中にある商店の店先にあるバナナを見つけました(図6)。熟す前の緑色のバナナのみならず、しっかりと熟した黄色のバナナが軒先にぶら下がっています。ガイドさんが買ったのは、その中でも特に目立つ赤色のバナナでした(図7、8)。
この地域で採れるレッドバナナはとても珍しく、味も濃厚で、甘みと酸味のバランスが良いフルーツと言われています。

図6 屋台の軒先に並ぶバナナ

図7 袋からのぞくのは……

図8 貴重なレッドバナナでした
日本ではまずお目に掛かれない珍味を楽しみつつ、バスはよく整備された道路をひた走ります(図9~11)。

図9 ランチ時、スコールに遭いました。屋内に居て良かった!

図10

図11
東洋のヴェニスと謳われたアレッピ
1899年、インド総督に就いたカーゾン卿は大小さまざまな水路・運河が入り組んだこの地の風景を「東洋のヴェニスだ」と呼び表しました。その言葉通りにケーララ州一帯の海岸線は複雑なデルタ地帯を形成しており、グーグルマップで見ると入江と川が無数に入り乱れているのが見て取れます。
さて、そんな水路の町アレッピの名物は、川をゆったりと下るバックウォーターツアーが外せません。
ハウスボートと呼ばれる船と家を合体させたような木造船(図12)に乗り込み、時間と共に変化する景色を流れの穏やかな船上で眺めるクルーズは、格別の味わいがありました(図13、14)。

図12 乗船するハウスボート

図13 いざ、船旅へ

図14 水とともにゆったりと流れる景色
最大でも十数人乗りのボートとはいえ、その装備は素朴な木製の見た目とは裏腹にしっかりとした宿泊機能が整えられています。エアコン完備の寝室(図15)やソファの置かれたリビングルーム(図16)、シャワー・トイレ(図17)はもちろんのこと、食事時にはダイニングにて専属コックが出来立てのケーララ料理を振舞ってくれます(図18、19)。

図16 ありがたい雰囲気のリビング

図17 シャワートイレも完備!

図18 食事をとるダイニング

図19 専属シェフによる地元ケーララ料理
このようなハウスボートは他にも1000隻ほどあるらしく、航行中にサイズの異なる何隻ものハウスボートとすれ違いました(図20)。
南国情緒にあふれる風景が船尾へと流れていくのをボォッと眺めていると、忙しない日常から切り離されたように感じて、なんとも言えない優雅なひと時を満喫することができました(図21~23)。

図20 様々なハウスボートが行き交っています

図21 船の先端にある操縦席

図22 波を浴びそうな露天操縦席

図23 2024年のインドツアーでもお世話になったガイドさんとのツーショット
この日は船内で宿泊し、翌日は古くから貿易で栄えるコチへ向かいます。
つづく
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前話「癒しの楽園・南インドツアーレポ2」(3443通信 No.366)
▼2024年5月「北インドツアーレポ」
「魅惑のインド6日間の旅に参加しました 1」(No.352)
「魅惑のインド6日間の旅に参加しました 2」(No.353)
「魅惑のインド6日間の旅に参加しました 3」(No.354)
▼その他
「インド大使館を表敬訪問しました」(No.349)
「A・M・ナイルさんとパーツ判事のエピソード」(No.350)