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3443通信 No.376

 

耳のお話シリーズ55
「あなたの耳は大丈夫?」33
~大沼直紀先生(筑波技術大学 名誉教授・元学長)の著書より~

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 私が以前、学校医を務めていた聴覚支援学校。その前身である宮城県立ろう学校の教諭としてお勤めだったのが大沼直紀先生(筑波技術大学 名誉教授)です。
 その大沼先生による特別講演の記事『聴覚障害に携わる方々へのメッセージ』(3443通信No.329~331)に続きまして、ここでは大沼先生のご著書『あなたの耳は大丈夫?』より、耳の聞こえについてのお話を一部抜粋してご紹介させて頂きます。

難聴の人と話すとき、ここに気をつけたい
▼難聴の人と話すときは

 一般に難聴者は、外見からはその障害が見えにくいため、正しく理解されにくいという問題があります。
 健康な普通の人とはかけ離れた、理解不能な人間だと考えられてしまうかと思うと、逆に、補聴器さえつけていれば、コミュニケ―ションに不自由がないはずだと片づけられてしまいがちなのです。

 聞こえないと、コミュニケーションに障害が生じます。会話の細かい部分がわからなかったり、テレビの内容がわからなかったり、うわさ話が耳に入らなかったり、冗談が通じなかったり……ということになるわけです。
 そこで、難聴の人と話す場合に配慮すべき事をいくつかあげてみましょう。

▼話し始めは注意をひく
 話を始める前に相手の注意をひいてください。名前を呼んで、それでも話し手のほうを見てくれない場合は、肩に軽く手をふれたり、手を振るなどして目に入る信号を送れば、たいがいうまくいきます。
 いきなり本題に入らず、まずは話題を知らせて、予測、類推の手がかりを与えてください。これからどんなことについて話し合われるのかがわかると、理解できる言葉が増え、会話の流れについていくのが楽になります。

▼ゆっくり自然な口調がベスト
 ペラペラと早口で話されると、難聴の人は何をしゃべっているのかわからなくなってしまいます。音声的にも聞き取りがむずかしいですし、唇の動きを読もうとしても、早すぎてついていけません。
 ゆっくり、しかし自然な口調ではっきりと話してください。大声を張り上げたり、誇張したり、発音を意識しすぎると口の動きが不自然になり、読話がむずかしくなるので、かえってコミュニケーションが阻害されます。

 ひとつひとつ細かく音節に区切って話すよりも、文節単位で自然に話すほうがわかりやすいですし、長すぎる文章よりは、短めの文章で話すほうが、理解しやすいものです。

▼まっすぐ見て話す
 相手をまっすぐに見て話してください。黒板に何かを書いたり、ファイルから何か出しながら、顔をそむけて話すことは避けましょう。目線が合っていると、気持ちを直接伝えるのにも役立ちます。

 話し中に電話が鳴ったり、ドアがノックされても、黙って突然席を立たないでください。電話に出るとかノックに応える旨を伝えてからでないと、難聴の人は自分が何か失礼なことを言って、相手が気を悪くして席を立ったのではないかと心配することになります。

 話し手の口元を見るのに邪魔なものがないようにしてください。唇を隠してしまうような口髭、煙草や鉛筆をくわえる、口元に手をやるといったことは、話を理解する妨げになります。


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